努力しているのになぜ伸びない?医学部受験のプロが解き明かす、合格への最短ルート

 医系専門予備校メディカルラボの可児良友氏に、医学部受験ならではの難しさをデータをもとに解説いただきながら、毎年多くの合格者を輩出する同校の合格メソッドについて取材した。

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努力しているのになぜ伸びない?医学部受験のプロが解き明かす、合格への最短ルート
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 少子化により18歳人口減少が進み、大学全入時代に移行している中で、いまだ医学部受験では毎年多くの浪人生が出ている。多くの受験生が浪人を避ける風潮下で、なぜ医学部受験だけが多浪も珍しくない状況にあるのだろうか。

 1つの要因として、医学部受験が人気を集め高倍率化し、難しい受験になっていることがあげられるが、他の要因として「そもそもの勉強の仕方が間違っているケースもある」と、医系専門予備校メディカルラボ本部教務統括・可児良友氏は指摘する。今回は可児氏にインタビューを行い、医学部受験ならではの難しさを解き明かしながら、2024年度医学部医学科合格1,226名もの実績をあげたメディカルラボの完全個別指導の合格メソッドを紹介する。

なぜ医学部受験に多浪が多いのか

--医学部を目指すにあたり、多浪する受験生は少なくありません。なぜ医学部入試はこれほど難関なのでしょうか

 医学部の受験は、医師・研究者になるための就職試験といっても過言ではありません。医学部に合格したということは、将来、医師または研究者になることがほぼ決まったと言えます。他学部に志望を変えるということは、将来の職業自体が大きく変わることになります。そのため、医学部へのこだわりを強くもつ人が多く、結果として多浪する受験生が増えるというわけです。また、他学部と比べて倍率が高く、国公立大学全学部の平均倍率が約2.9倍なのに対して、医学部医学科は約4.5倍となっています。大学入学共通テストで点を取れていても、4人に1人しか受からない厳しい入試です。

 さらに医学部入試は大学によってずいぶん出題傾向が異なり、特に医科系単科大学は個性的かつ難解な問題を出す傾向があります。そうした難しい問題が解けなければいけないと思い込み、基礎・基本が定着しないまま、ひたすら難解な問題ばかり解いていると、いつまで経っても力が付かず、その結果、苦労している生徒も多いですね。

--では、不合格を繰り返してしまう要因はどこにあると思いますか。

 基礎となる土台固めができていないために多浪する生徒が多いと感じています。難問ばかり解いているので、難しい・細かいことはいろいろと知っているのですが、基礎の抜けや漏れが多く、点数が安定しないのです。その上、受験勉強が長引くにつれ、受験に関していろいろな知識や自分なりの勉強法へのこだわりをもってしまうので、なかなか素直になれず、基礎・基本に戻って、場合によっては教科書レベルからやり直すといったことがしづらい面もあるようです。

 このような場合、まずは本人に納得してもらうことが大切です。メディカルラボの場合は医学部受験を何年も見てきたプロ講師がマンツーマンで指導していますので、「この先生は信頼できる」と納得してもらえれば、指導を素直に受け入れるようになります。

取材に応じてくれたメディカルラボ 本部教務統括の可児良友氏

努力しているのに伸びない…医学部受験生が直面する壁

--なるほど。医学部受験生が直面しがちな壁として、具体的にどういった悩みや困りごとが多いですか。

 先ほどの話とつながりますが、医学部受験では目指すレベルが高い分、どうしても「難しい問題をやらなくては」と思ってしまい、本人の学力レベルに合わない勉強をしてしまうことが少なくありません。基礎を理解したり定着させたりという段階を十分経ないまま、応用問題を集めた難しい問題集ばかり進めてしまう。そうやって基礎がおろそかなままハイレベルな問題を解いても、穴となっている部分を埋めることはできないのです。

 今の時代はネット上にいろいろな情報があふれているので、合格者が使っていた参考書や問題集をまねしたくなる気持ちもわかるのですが、それらは本来であれば基礎力がしっかりと身に付いてから使うべきものです。公式の意味や目的をわからずに、「このパターンには何となくこれを使う」という形式だけを丸暗記し、問題集を何周も回すことだけが目的になってしまうような上滑りな勉強を続けても力は付かない。公式を自分で導出したり証明したりできるようにするなど、ひとつひとつをきちんと理解しながら勉強することができていないと、「努力しても伸びない」のです。

--では、「努力しているのに伸びない」と感じている受験生は、どこから変えていくべきでしょうか。

 まずは本人の学力に合った勉強をしていくことです。簡単にいうと、本人が「完全にわかる」ところまでもう1回戻って、基礎を固め直すことが重要だということ。先ほども言ったように、努力しているのに伸びないというのは、丸暗記や、感覚的に解くような勉強をしている可能性が高いのです。

 昨今では学校の授業自体も、たとえば英語については「使える英語を学ぶ」といった目標のもと、文法よりも読解やリスニング、スピーキングを重視する傾向があり、以前と比べると、文法を丁寧に教える学校が少なくなっている気がします。その影響もあってか、生徒たちは文法知識が不足したまま、単語を表面的に拾って感覚的に読むような形に陥りがちなのです。学校の定期テストならばそれでも点数は取れますが、入試問題では初見の長文を正確に読み解かなければいけません。複雑な文構造をきちんと理解しないと訳せない長文問題も出てくるので、文法の基礎は不可欠です。

 基礎固めの学習というのは、スポーツ選手に例えると筋力トレーニングのようなもの。決して楽しくはないのでやりたがらない人が多いですが、逆にいうとやった者勝ちです。英語なら文法問題を繰り返し解いて理解を深め、「わかった」で終わらせずに、使いこなせるようになるまで何回もトレーニングをすることが大切なのです。

医学部合格者の2つの共通点

--医学部合格者にはどのような共通点がありますか。

 1つは、今お話ししたような、基礎のトレーニング的な学習を地道に積みあげられるところです。その証拠として、医学部合格者の科目ごとの平均偏差値をみると、他教科に比べて、英語の偏差値がいちばん高い生徒が多いことがあげられます。英語という科目は、日々の積み重ねなくしては伸びない教科です。つまり合格者たちは皆、コツコツと努力を重ねてきたといえるでしょう。

2024年度の国公立大学医学部の前期試験の合格者平均(一部)

 もう1つは、医者になりたいモチベーションの強さです。医学部は他学部と異なり、自分の将来像をイメージしやすいので、「将来こうなりたい」と本気で思うことが勉強のモチベーションになります。今の勉強が将来につながるとイメージできれば頑張れるので、基礎的トレーニングの積み重ねと同時に、将来のイメージを明確にもてるかどうかも大事だと思います。

--医学部では入学後も、人の命を預かるという職業に就く以上、膨大な勉強をしなくてはいけません。生涯学び続けられる力が求められるともいえますが、入試でもこうしたコツコツ努力できる力をみるような問題が多いのでしょうか。

 これは大学によってさまざまです。コツコツやったことがそのまま出る大学もあれば、さらにそれを応用させて難しい問題を出す大学もあります。ただ、後者についても、考えるための材料は知識の積み重ねでしか得られませんので、どちらにせよ相応の努力をしなければ解けない問題です。加えて医学部受験には志望理由書から小論文や面接など、他学部以上にさまざまな準備が必要ですから、あらゆる面でコツコツ努力できる力を測られているといえます。

--模試で偏差値が60以上取れるような学力がないと医学部は目指せないのでしょうか。

 結論からいうと「いいえ」です。高3春の模試で60以下でも医学部に合格するケースは結構多いです。

 これが受験直前の高3の12月で60未満となると厳しくはなりますが、大学を選んでやることを絞り込めば十分合格の可能性があります。模試の問題と大学入試問題はまったく違うので、ある程度の時期になったら模試で高い偏差値を取ることよりも、志望大学の入試問題を解けるようにすることに意識を切り替えて勉強をする必要があります。

完全個別指導で生徒ひとりひとりの学習に寄り添う

--自分の基礎がどの程度できているか、どの教科をどこまで遡って勉強すれば良いのかわからない受験生はどうすれば良いでしょうか。

 メディカルラボでは、「学力診断テスト」で現状の学力状況を詳細に診断し、生徒ひとりひとりに効率の良い学習計画(個別カリキュラム)を作成しています。「学力診断テスト」では科目ごとに、偏差値だけでなく、中学・高校で学ぶ単元ごとにどれだけ得点できているのか詳細を確認しています。どこでつまずいているかを細かく分析したうえで、基礎固めに使用する教材と目標、スケジュールを決めて学習を進めていくのです。

 生徒によっては、中学校の範囲まで戻って学び直す子もいます。保護者は不安に思うかもしれないですが、つまずきの原因があるところまできちんと戻って、穴となっている部分を埋め直してあげないとすべての単元に響きかねず、一向に伸びないのです

 こうした学習計画を立てられるのはマンツーマンならではです。集団学習ではここまで個別に最適化した対応はできません。逆に言うと、基礎が固まってつまずきが解消されれば、そこから縦横のつながりがどんどん広がって、急激に学力が伸びることは大いにあります

 実際に、高3の夏まで数学が伸び悩んでいたにもかかわらず、つまずきの原因の基礎に戻って学習し直したところ、その基礎学習が終わってしばらくすると急に成績が伸び始めた子を何人も見てきました。基礎固めの勉強はすぐに成果が現れるものではありませんが、それでもコツコツと努力を続けられれば必ずや報われます。辛抱が必要な場面ですが、焦って安易に難問に手を出すよりも、土台固めをして基礎・基本を身に付ける方が実は合格への近道になるのです。

--個人の学力に合わせて学習を続けていけるのは、完全個別指導のメディカルラボのいちばんの強みですね。

 はい。さらには、受験する大学の出題傾向に合わせた学習計画を立てられる点も、完全個別指導ならではの強みと言えるでしょう。

 先ほども申し上げた通り、医学部は大学によって入試問題の出題傾向が大きく異なります。当然ながら、ひとりの受験生が全大学に受かる学力を身に付ける必要はないので、自分が受ける大学に受かる学力を身に付ければ良いと考えれば、勉強するべき内容を絞り込めます。時間が限られた中で勉強をするわけですから、受験する大学に重点を置いた授業ができるのは完全個別指導の大きなメリットだと思います。

担任と講師がチームで連携し効率よく合計点を伸ばす

--完全個別指導の授業はどのように進んでいくのですか。

 150分の個別指導授業では、インプットとアウトプットを繰り返します。授業内では、学んだことを口頭や問題演習でアウトプットさせることで理解度を計ります。マンツーマンなので、集団授業と比較して講師と生徒のコミュニケーション量が多く、生徒は疑問や不安があればすぐに質問や相談ができます。また、授業後に出される宿題も個別の学力状況に合わせて出されます。完全に定着するまで講師がサポートをしているのです。

 メディカルラボではこのような質の高いマンツーマン授業だけでなく、生徒ひとりひとりに対して、担任と各科目のプロ講師がチームを組んで指導にあたります。「合計点主義」を掲げ、生徒それぞれがもつ科目ごとの学力を考慮し、志望する大学の合格点を確実に取るためにはどこに力を入れるべきかを常にチームで考えます。得意な数学を伸ばすべきか、あるいは伸び代のある化学に力を入れるべきかなど、講師一同がチームを組んで、限られた時間で効率よく合計点を伸ばすために学習の優先順位を戦略的に設定しているのです。

 また、各大学の入試問題と本人の学力特性を比較し、得意が生かせるとか、苦手な部分が足を引っ張らないなど、その生徒にマッチした出題傾向の大学を講師がチームでピックアップして、受験校を選定します。入試問題との相性も科目ごとに違うので、科目横断的に進められるのもチームの強みですね。

--完全個別指導だと孤独なイメージもあるのですが、メディカルラボではこうしたメンタル面はどのようにサポートしていますか。

 同じ志をもつ生徒同士が集まってモチベーションを高め合う「チームメディカルラボ」という時間を設けています。少人数のグループになって共通のテーマでディスカッションをしたり、チームビルディングのゲームなどを協力して行ったりするのですが、「自分ひとりではなく、一緒に医学部受験を戦っている」「みんなで合格するんだ」という仲間意識が高まり、モチベーションが上がるようです。完全個別指導で受験生ごとに最適化された計画で効率良く学習を進めながらも、こうした横のつながりを受験生同士で作れるということで、大変好評です。

--最後に医学部を目指す受験生とその保護者に向けて、メッセージをお願いします。

 今、まさに入試の渦中にいる受験生に向けては「最後まであきらめずに頑張ってほしい」と言いたいです。受験の最中も学力はどんどん伸びていくので、入試を受けたあとはできなかったところ、つまずいたところを必ず復習しておきましょう。

 これから医学部を目指す人たちには、「医学部には努力をしている人が合格する」と伝えておきたいですね。基礎・基本を疎かにせず、また受験大学の出題傾向もしっかり意識して、コツコツと日々の勉強を続けていってください。

 保護者の皆さまは、生活面に加えて、塾や予備校などお子さま自身が医学部を目指して「ここなら勉強を頑張れそうだ」と思える環境を選べるよう、選択肢を探してあげるなど、間接的なサポートをしていただけたらと思います。大学受験、特に難関の医学部受験はお子さま本人が頑張るしかなく、むしろ苦労を通じて立派に自立し、成長していく時期です。自らの意志で日々黙々と努力し続けられるからこそ、医師という厳しい職業に就くスタートラインに立てるのです。「勉強しなさい」「ちゃんとやってるの?」などと言いたくなることもあると思いますが、勉強面では我々にお任せいただき、保護者の皆さまはお子さまのことを信じて、少し離れたところから見守っていただくと良いのではないでしょうか。

--ありがとうございました。


勉強法の歪みを診断し、改善するメディカルラボ

 生徒本人の習熟度や特性と、受験する大学の出題傾向を踏まえたうえで、個別最適なカリキュラムを立て、マンツーマンで無駄のない学習を進められるメディカルラボ。自分では自覚しづらい勉強法の「歪んだクセ」や「偏った習慣」を直すには、医師や整体師が病気や歪みを診断して治療・施術を施すように、メディカルラボのような学びのプロによるつまずきの診断と処方、リハビリが有効になるのだろう。「努力しても伸びない」行き詰まりに直面したときに、プロによる診断と改善を速やかに活用したい。

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《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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