東京都体力テスト、コロナ前の水準に戻らず…生活習慣の見直しへ

 東京都教育委員会は2025年3月6日、2024年度(令和6年度)東京都統一体力テストの結果を公表した。調査対象となった小5、中2、高2の男子は前年度に比べ体力総合評価の数値が改善したものの、男女いずれもコロナ禍前の体力水準には戻っていない現状が明らかになった。

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体力・運動能力<体力総合評価C以上(A+B+C)の割合>
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 東京都教育委員会は2025年3月6日、2024年度(令和6年度)東京都統一体力テストの結果を公表した。調査対象となった小5、中2、高2の男子は前年度に比べ体力総合評価の数値が改善したものの、男女いずれもコロナ禍前の体力水準には戻っていない現状が明らかになった。

 東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査(東京都統一体力テスト)は2024年5月~6月、東京都内の公立学校(小学校、中学校、中等教育学校、高等学校全日制・定時制・通信制、特別支援学校)計2,173校の児童・生徒96万7,083人を対象に実施。児童・生徒に対する体力・運動能力、生活・運動習慣等の実態に関する調査と、学校の取組みについて調査した。

 体力・運動能力の水準を示す体力総合評価は、C以上(A+B+C)の割合が小5・中2・高2の男子で前年度より増加。特に中2男子は前年度より1.1ポイント増の66.0%となり、コロナ禍前の2019年度(令和元年度)の66.1%に迫る水準まで改善している。一方、小5・中2・高2の女子では4年連続で減少が続いた。総じて、体力総合評価C以上の割合は、小5・中2・高2の男女のいずれにおいてもコロナ禍前の水準には至っておらず、体力低下傾向が懸念される状況が続いている。

 生活習慣については、朝食を食べない児童・生徒の割合が小5・中2・高2のいずれにおいても増加。「毎日食べない」と回答した割合は高2男子がもっとも多く10.2%。ついで高2女子9.1%、中2女子4.1%、中2男子3.8%。小5は男女ともに1.5%ほどだった。睡眠時間については、「6時間未満」の割合が高2女子のみ前年度より増加。前年度に比べ1.6ポイント増え、39.5%にのぼっている。そのほかの児童・生徒は微減となった。

 運動習慣をみると、「1週間の総運動時間が420分以上(1日平均60分以上)」と回答した割合は、前年度と比較し、小5男女・中2男子・高2男子で増加。中2女子は、2022・2023年度と連続して増加していたものの、2024年度は減少に転じた。高2女子では2021年度以降連続して減少が続いている。1週間の総運動時間が420分以上の割合は、男子ではおおよそ5割以上となっているが、女子では5割以下となり、高2女子、小5女子で30%前後と低い水準となっている。

 一方で、運動やスポーツをすることは好きと回答した児童・生徒の割合は、中2女子を除いて、コロナ禍前の2019年度よりも増加。年齢が上がるにつれて減少する傾向はみられるものの、運動やスポーツへの興味関心は高まっている傾向がみられた。

 東京都では、今後の取組みとして、体育・保健体育の授業の充実や多様な運動機会の創出に加え、生活習慣を見直し、改善を図ることが必要とし、特に生活習慣の乱れと体力低下が顕著に見られる高校などにおいて、生涯の健康に関する理解促進事業などを推進する予定。また、今回の調査ではデジタル化により結果集約の高速化と業務の軽減を実現したという。デジタル化により、子供たちが端末で自分の体力の現状を把握・分析し、最適な学び方の調整やエビデンスに基づく取組みを推進していくとしている。

《畑山望》

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