高校生、生成AI利用約3割…東京都ネット利用調査

 東京都教育委員会は2025年3月24日、2024年度「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の報告書を公開した。生成AIについて、高校生の約3割が使用したことがあると回答。学校の部活動や習い事以外で熱中しているものとしては、「ゲーム」や「動画視聴」の割合が高い結果となった。

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生成AIの利用状況
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 東京都教育委員会は2025年3月24日、2024年度(令和6年度)「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の報告書を公開した。生成AIについて、高校生の約3割が使用したことがあると回答。学校の部活動や習い事以外で熱中しているものとしては、スマートフォンなどを用いた「ゲーム」や「動画視聴」の割合が高い結果となった。

 「児童・生徒のインターネット利用状況調査」は、都内公立学校の児童・生徒のインターネット利用に関わる現状を明らかにし、有害情報から子供を守るための情報教育の推進などを目的に、毎年実施しているもの。今回の調査は2024年10月下旬から2025年1月上旬に実施。区市町村立の小学校44校・中学校27校、都立中等教育学校2校、都立高校15校、都立特別支援学校15校の計103校を対象に行った。対象人数は、都内公立学校児童・生徒の約1%にあたる約1万1,000人と、調査対象校の管理職103人。

 生成AIの利用状況について、全体では83.1%が使ったことがないと回答。使用経験のある児童生徒は16.9%にとどまった。しかし、学校種別にみると中学校で21.5%、高校で29.7%が使用経験があると答えており、生成AIが子供の生活に浸透しつつあることがうかがえる結果となった。

 ゲームでの課金については、児童生徒の約3割が課金した経験があると回答。全体では、4月から11月までの8か月間で「1,000円~2,999円」との回答がもっとも多かった。

 今回新たな質問項目として追加された、熱中しているものの有無に関する調査では、児童生徒全体の65.3%が熱中しているものがあると回答。熱中している内容については、小学生で「ゲーム」(43.5%)がもっとも多く、中学生で「動画視聴」(55.6%)、高校生で「動画視聴」(52.9%)、特別支援学校でも「動画視聴」(55.3%)の割合がもっとも高かった。「ゲーム」と「動画視聴」いずれもスマートフォンやタブレットを用いており、スマートフォンの適切な関わり方について考える機会をつくる必要があるだろう。

 インターネットでの知らない人とのやりとりについては、4割の児童生徒が知らない人とやりとりをしたことがあると答えた。やりとりのきっかけは全体として「ゲームの話」が41.6%と高くなっている。しかし、インターネット利用時のトラブルでは、「がまんした」と回答した割合が全校種でもっとも高くなっており、子供たちがトラブルに直面した際、安心して相談できる環境の整備が求められる。

 調査報告書の全文は、情報教育ポータルサイト「とうきょうの情報教育」に掲載されている。東京都教育委員会では、児童生徒の情報活用能力を育成するため、「とうきょうの情報教育」に補助教材「GIGAワークブックとうきょう」や「考えよう!デジタルリテラシーについて」などの資料も公開。学校現場での効果的な活用に向けて引き続き取り組んでいくとしている。

《木村 薫》

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