中高生のジェンダー意識「隠れたカリキュラム」が影響

 ガールスカウト日本連盟は2025年4月28日、2024年に実施した「中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024」の報告書を公開した。学校や家庭など日常生活に潜む「隠れたカリキュラム」が、中高生の意識や行動に影響を与えていることが明らかになった。

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「女の子だから・男の子だから」何かをしなくていいと言われたことはあるか (c) Girl Scouts of Japan
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 ガールスカウト日本連盟は2025年4月28日、2024年に実施した「中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024」の報告書を公開した。学校や家庭など日常生活に潜む「隠れたカリキュラム」が、中高生の意識や行動に影響を与えていることが明らかになった。

 「中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024」は2024年9月27日~11月24日、全国の中学生・高校生年代を対象にインターネットで実施。1,348人(中学生751人、高校生597人)の回答を得た。ガールスカウト日本連盟は、2019年から継続してジェンダーに関する意識調査を実施しており、今回の調査では「隠れたカリキュラム」にスポットをあてて分析した。

 隠れたカリキュラムとは、学校で「公式のカリキュラム」として教育する側が明示的に教える内容以外に、学校生活、学校制度、教師の言葉や態度などを通して、子供たちが学び取っていく規範や価値観、信念などを指す。持ち物の色指定、性別の科目や活動、ステレオタイプに基づく声かけの違いなどを通して、子供たちはいろいろなことを学びあい、影響を受けているという。

 調査結果によると、性別が理由で何かを制限されたり、やらされた(期待された)りしていると感じているのは、中学生よりも高校生のほうが多いことがわかった。女子は「しなくてよい」と言われることが多く、男子は「やらされた」ことが多いという。

 また、自分の体調について話す相手として、中高生ともに母親がもっとも多く、女子中学生・女子高校生は約80%、男子中学生・男子高校生は約55%が母親に相談している。一方で、誰とも話さない・話すことができない生徒も存在する。

 日常生活の中で性的嫌がらせを受けたり、見たりしたことがあると答えたのは、女子中学生約11%、女子高校生約22%、男子中学生約10%、男子高校生約25%であり、高校生の方が2倍以上多い結果となった。

 さらに、自分の容姿に満足していないと答えたのは、女子中学生55%、女子高校生58%、男子中学生42%、男子高校生47%であり、男子より女子のほうが自分の容姿に否定的であることがわかった。

 自己肯定感については、女子中学生の44%、女子高校生の42%、男子中学生の57%、男子高校生の40%が高いと感じており、男子高校生がもっとも低かった。

 また、男女ともに3割程度の生徒が「学校の先生は女子と男子に平等に接していない」と感じており、進路指導や役割に対しても1割程度の生徒が「平等に接していない」と感じている。

 インターネットの安全性については、2人に1人以上の生徒が安全・やや安全であると考えており、影響を受けているメディアはYouTube、Instagram、TikTokが多いという結果が出た。

《吹野准》

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