研究開発者の採用が微増…民間企業の研究活動調査

 文部科学省科学技術・学術政策研究所は2025年6月25日、「民間企業の研究活動に関する調査報告2024」を公表した。新卒・中途を問わず、研究開発者を採用した企業の割合は前年度より若干増加して54.6%、博士課程修了者を採用した割合は2年連続で増加して11.4%となった。

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学歴・属性別 研究開発者の採用を行った企業割合の推移
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 文部科学省科学技術・学術政策研究所は2025年6月25日、「民間企業の研究活動に関する調査報告2024」を公表した。新卒・中途を問わず、研究開発者を採用した企業の割合は前年度より若干増加して54.6%、博士課程修了者を採用した割合は2年連続で増加して11.4%となった。

 文部科学省科学技術・学術政策研究所は、毎年「民間企業の研究活動に関する調査」を実施している。2024年度調査では、資本金1億円以上でかつ社内で研究開発を行っている3,859社を対象に実施し、1,949社から回答を得た。

 研究開発者(新卒・中途を問わず)を採用した企業の割合について、2013年度以降5年連続で増加した後、減少傾向が続いていたが、2023年度は54.6%となり前年(2022年度)53.8%より0.8ポイント増加した。

 学歴別にみると、学士号取得者の採用割合は前年度より増加したが、修士号取得者の採用割合は微減。博士課程修了者を採用した企業の割合は前年度より増加して11.4%となった。博士課程修了者を採用した企業の割合は、2017年度以降4年連続で減少していたが、2021年度から2年連続で増加。また、女性研究開発者の採用割合も前年度から増加した。

 中期的な傾向として、2013年度以降、研究開発者(新卒)全体は、緩やかな増加傾向にある。中途採用者については、1社あたりの採用者数平均は3年連続して増加しており、2023年度は2011年度以降、最多の採用者数となった。

 研究開発者を確保するために、大学学部等の学生を対象としたインターンシップを実施する企業の割合は、大学学部等で56.4%、大学院修士課程で44.7%、博士課程の学生で15.7%であり、大学学部等への実施割合が最多であった。

 人材の採用について、人材エージェント(職業紹介事業者)を通じた人材の採用が53.7%と進んでいることがわかった一方で、大学との連携を通じた学生・ポスドク等の採用は18.8%、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用した採用活動は13.3%であった。人工知能(AI)を活用した選考・採用活動(書類選考でのエントリーシートの評価や面接選考など)は1.6%にとどまった。

 「民間企業の研究活動に関する調査報告2024」は、NISTEPのWebサイトで公開している。

《木村 薫》

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