中学生の約6割が「親に言えないこと」を抱えていることが2025年8月27日、ベネッセコーポレーション「進研ゼミ 中学講座」の調査で明らかになった。保護者の8割が「子供が言えない本音があると思う」と察しているが、子供からの発信を待つ保護者が多かった。
親子間コミュニケーションに関する調査は2025年8月、全国の中学1年生から3年生5,438名と保護者498名を対象に実施した。
調査によると、58%の中学生が「親につい言えなかったこと」があると回答。さらに、46%が「親に本当は感謝しているけれど、伝えられていないこと」があるとし、44%が「今はまだ言えないけれど、いつか親に伝えたいこと」があると答えた。言えなかったことは、模試の結果から将来の夢・進路、友人関係や恋愛関係と多岐にわたる。
一方、保護者の83%が「子供が言えない本音があると思う」と回答。親子それぞれの認識のずれが浮かび上がった。また69%が「子供から気持ちをもっと伝えてほしい」と感じており、子供からの発信を待つ保護者が多いことがうかがえた。
親子間で「価値観が違う」と感じる項目については、親子共に「勉強のしかた」と「スマホの使い方」が上位にあがったが、中学生は「SNSに対する考え方」を重視する一方、保護者は「人との距離感」を重視するなど、令和時代ならではのギャップが見られた。
親子のコミュニケーション手段は、中学生の67.3%・保護者の73.1%が「直接会って話す」と回答しており、デジタルが普及した令和の時代でも、もっとも有効な手段であることがわかった。
中学生に「親に話しやすいと感じるとき」を聞いたところ、もっとも多かったのは「親の表情が柔らかいとき」だった。一方、保護者は「否定せずに最後まで聞く」「自分の失敗も話す」といった工夫をあげた。子供にとっては、特別な場を整えることよりも、日常の中の自然な空気が安心して話せる場面であり、工夫や努力で環境を整えようとする親との間に認識のギャップがみられた。