2026年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。
リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。
本記事でご紹介するのは、富士見中学校。東京都練馬区にある中高一貫の女子校だ。学校長・善本 久子先生からのメッセージの他、特色のあるプログラムなどを紹介する。
校長挨拶
「3つの柱で躍進する新しい富士見」
あいまいで不確実なVUCA時代と言われる中、世界における日本のプレゼンスは年々低下し、解決すべき課題が多くあります。環境問題や食糧危機、ジェンダーギャップなどもそのひとつ。そうした時代をしなやかにタフに変えていける「社会に貢献できる自立した女性の育成」が本校の教育目標です。その軸に、昨年から「食と農を中心とした探究」「金融」「芸術」という3本の学びの柱を据え、学びを展開してきました。こうしたテーマを通して、日本がもつ文化や美、課題を感じ、そしてグローバルな視点で見ると同時に、実際の体験と思考を繰り返して自分ごととして捉えていけるようになります。
子供たちは「ある高みの目標を見せてあげると、努力しそれを超えられるようになる」が私の信念です。適したハードルをそこかしこにちゃんと準備すれば、彼女たちは自分たちの力で学びの成功体験を積み、成長していけるという、生徒たちの無限の可能性を信じています。米穀・証券・美術の異業種で成功を遂げた創設者の精神に基づく学びも広がり、生徒たちに真摯に向き合う教師集団と共に、チャレンジと成長の6年間の学校生活が待っています。そして、実り多き学びや体験の中で、個性や可能性を芽吹かせ、共感力のような非認知能力を高めながら、社会を彩る人を育てていく学校です。一緒に楽しみ、自分の可能性と世界を広げていきましょう。

進路、進学に対する考え方は?
6年間の教科学習や探究を通して、希望の進路実現に向けて、学力の養成からキャリア形成まで、個別最適な形でバックアップします。中1からキャリアを考えるための進路指導が系統的に行われています。卒業生によるアドバイス会や国公立・早慶などに進学した卒業生のシンポジウム、大学教授を招いた講義、海外大学進学希望者のためのグローバルカフェなど、発達段階や興味関心に応じてさまざまな機会を用意しています。
6年間の探究プログラムを経て育った今年の卒業生は、より明確に進路を考えるようになり、探究学習の成果を総合型選抜受験に生かす生徒も増え、難関大学への合格者も増加しました。東京科学大学や東北大学など難関理系や、海外大学への進学者も増え、国内外のあらゆる分野・領域で活躍する卒業生を輩出しています。


3本柱、さらに深く
「探究」一粒のお米から世界を見通す
「食と農」の探究では、田植えや稲刈り、パッケージ制作、販売までを生徒主体で行う“富士見米プロジェクト”を継続。都市農業や過疎地域農業との比較学習など、体験に根ざし世界に向けて発信できる力を育てます。


「金融」自他の幸せのためにお金をマネジメントする
ライフスタイルの変化が起きやすい女子こそ金融が必要です。同校の金融教育では、お金を自他の幸せのためにマネジメントする力を育成します。ストックマーケットゲーム等の実践を通して、社会課題への投資理由を言語化し、金融と社会のつながりを学ぶカリキュラムが進化しています。


「芸術」本物に触れ、日本の文化・芸術を創造する
同校の創設者は国内で初めて日本画専門美術館を設立し、学内には約400点の芸術作品を所蔵しています。「芸術」では、美術館との連携や日本画体験、三味線の授業など、日本文化を深く学ぶ内容が充実。学校HPの所蔵美術作品紹介コーナーも生徒が執筆。教科を超えた「本物に触れる芸術教育」が根づきつつあります。


学校概要
所在地:東京都練馬区中村北4-8-26
アクセス:西武池袋線「中村橋駅」徒歩3分
電話番号:03-3999-2136