【とっておきの私立中学校2026】日本工業大学駒場中学校…言語力と人柄を磨き高める進学力

 「中高6年間一貫教育を考える会」発行の中学受験情報誌『とっておきの私立中学校』と連携し、注目の私立中学校を紹介する本企画。本記事では、日本工業大学駒場中学校を紹介する。

教育・受験 小学生
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駅に向かう途中にある光風塾。受験生のやる気を引き出す校内進学塾
駅に向かう途中にある光風塾。受験生のやる気を引き出す校内進学塾 全 5 枚 拡大写真

 2026年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。

 リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。

 本記事でご紹介するのは、日本工業大学駒場中学校。東京都目黒区にある進学型中高一貫の共学校だ。学校長・大塚 勝之先生からのメッセージの他、特色のあるプログラム等を紹介する。

入試情報

教育姿勢と実践…感性を磨きながら人柄を育む

 日駒が普通科専一校に移行して5年になりました。在校生が全員普通科生になり、中高で女子の割合が増えてきました。おかげさまで日駒中高はこの数年、安定的に受験生が増加し、評価を戴けるようになり、次第に私たちが願っている方向に広がりを感じるようになって参りました。

 もともと私たちの学校は、115年もの間、工業教育に特色をもつユニークな学校でした。そしてその長い間、学校は大きな事故・大きな怪我は一切ありませんでした。それは私たちが「生徒の安全こそもっとも大切なこと」と肝に銘じてきたからです。つまりそれが当然のことと思ってきたのです。あまりに当然なことの大切さに、工業科運営を止めて気が付いたのは不覚でしたが、良い発見になりました。そしてそのとき私たちは“まじめでなければ良いものはできない”という事実を確認することになりました。

 普通科運営になっても、私たちは中等教育の骨格は「人柄を育てること」に重要な意味を見出します。大学進学実績ももちろん大事です。理数教育も大事、キャリア教育もグローバル教育も忘れてはいけない、外国留学への希望にも応えていく、そのようにして学習指導にも怠りなく気を配る…しかしそれでもなお、私たちの学校は、それらの教育運営をまとめたその先に“人柄を育てる教育”を目指したい。そしてその目標の実現のために、“国語教育こそすべての基本”を掲げています。まず国語のちからを充実させ、そのうえで人柄を育てる応援をしたい、と願っています。

日本工業大学駒場中学校 校長 大塚勝之先生

日駒名物「ファイトノート」の役割

 入学してきた中1、中2生に配られるのが、日誌と学習課題を組み合わせた日駒独自の「ファイトノート」です。家に帰ったら、その日の学習の中身を記して朝のホームルームで提出。その日のうちに先生が感想などのコメントを書いて戻します。

 この小さなノートは保護者の欄もあるので、生徒、保護者、先生が今の子供たちの状況を共有できるというメリットがあります。それに加え、子供たちのアウトプット能力を自然に付けるという利点もあります。自分で書いた字で自分の考えをアウトプットする、この大切な訓練を2年間掛けてしっかり体得すること、それがファイトノートの大きな役割です。

言語能力を高める「能動的読書体験」

 「能動的読書体験って何?」と思われるかも知れませんが、同校のそれは単に読書をしただけで終わらず、読書体験を通してさまざまな人生や未知の世界を仮想体験し、それを自分の言葉で表現するという読書プログラムです。

 使われる教材はオリジナルの「にちこま文学全集」。各学年別に国内外の小説、評論、エッセイ、詩歌、古典などのジャンルから選ばれたさまざまな文章に触れることで、読解力・思考力・表現力、そして豊富な語彙から自分なりの考え方や気持ちの出し方を学んでいきます。これは国語科のプログラムですが、英語科や社会科、さらに理数系などの科目にも連動していけるアクティブな読書体験です。

最難関大学への進学をアシストする「日駒光風塾」

 工業大学の名前を冠していながら、現在同校は完全普通科専一校です。そうなると求められるのは、進学を踏まえた総合的な学力アップの施策です。その進学力(卒業生数に対する合格実績数)はここ数年急激に上昇してきていますが、それを支えているのが同校の大学進学支援センターの活動です。生徒の個別指導の場や卒業生チューターが実践指導するチュータールームの運営や進学に向けた各種の補習・講習・講座などに加えて、最難関大学受験を支援する画期的な校内塾を10年前に開設しました。

 「日駒光風塾」という名前の学内進学塾は、進学指導歴20年のベテラン塾頭を筆頭に、現役大学生が難関大学受験プログラムを作成して、より高い目標を掲げる生徒たちを実践指導しています。しかも受講料は無料というのが、同校の本気度を表しています。さらに光風塾は、校外の駅間近の建物にあり、移動に時間がかからないのも魅力です。

 年2回の選抜試験で入塾が決まります。対象となるのは受験を志す高校生だけだったのですが、3年前の夏休みからその受入範囲を中学生まで拡げました。それが「光風塾ジュニア」です。中学2年生、3年生を対象に、その時期から難関大学受験に必要な基礎学力に加えた応用力を養成していくというプログラムです。光風塾ジュニアへの入塾は中2、中3ともに最大40名程度。「楽しく伸ばす光風塾ジュニア」という基本コンセプトのもと、週2回、本校舎内で17時30分から2時間授業が行われます。

駅に向かう途中にある光風塾。 受験生のやる気を引き出す校内進学塾

部活動情報

写真を見ただけでは校舎の屋上とは思えない、日駒屋上庭園

 都心の真ん中にある同校の校舎には、空間をうまく生かすさまざまな工夫があります。その最たるものが屋上庭園です。人工芝が敷かれたその広さは、庭園というよりも屋上のグラウンドでしょう。遠くには渋谷や新宿の高層ビルが、近くにはお隣の東京大学駒場校舎の森や時計台がすばらしい眺めを作ってくれます。

 初めてこの屋上にのぼった保護者たちは、その眺めに感動してしまいますが、生徒たちにとってはお弁当を広げたり、友達とおしゃべりを楽しんだりする憩いの空間です。使い方はいろいろ。季節に合わせて多様に楽しめそうです。

 さらにこの庭園の片隅はなんと、ニホンミツバチの養蜂場となっています。現在園芸養蜂部の生徒たちが実際に蜂を飼育しており、おいしいハチミツを採取しています。そのほか、校舎西側に延びるホップも、暑い季節には窓を覆う緑のカーテンとなります。都心の学校でも自然を多く取り入れる、これも同校の自慢です。

アクセス

学校概要

所在地:東京都目黒区駒場1-35-32
アクセス:京王井の頭線「駒場東大前駅」徒歩3分 または東急田園都市線「池尻大橋駅」徒歩15分、駒場バス停徒歩3分、大橋バス停徒歩12分
電話番号:03-3467-2130

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《編集部》

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