秋の風物詩である「中秋の名月」、2025年は10月6日にあたる。月を愛でる「中秋の名月」は満月であると思われがちだが、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こるという。今年は翌7日が満月となり、名月と満月が1日ずれることになる。全国の2週間天気予報によると、10月6日は全国的に曇りのエリアが多い予報。雲の合間から満月間近の明るい月が見られそうだ。
「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のこと。旧暦の8月15日の夜は「十五夜」とも呼ばれ、月を愛でるお月見の習慣が風習として続いている。お月見は平安時代に中国から伝わったと言われているが、日本では、秋の恵みに感謝し、豊作祈願として芋を供えた農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもある。
今年は10月6日が中秋の名月となり、満月は翌7日と1日ずれる。国立天文台によると、太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日がその月の朔日(ついたち)になり、今年は9月22日が太陰太陽暦の8月1日、10月6日が太陰太陽暦の8月15日となる。一方、天文学的な意味での満月は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月を差すため、満月は10月7日になるという。中秋の名月と満月の日付がずれることは珍しくなく、次に中秋の名月と満月が同じ日付になるのは2030年だという。
ウェザーニュースが発表した9月24日からの2週間天気予報によると、10月6日は北日本から西日本まで広い範囲で曇りとなる予報。広島では降水確率50%と一時雨の可能性もある。雲の多い天気ではあるが、満月に近い月はとても明るいため、雲の合間から中秋の名月が顔をのぞかせることも期待できる。当日までまだ日があるため、当日の天気は最新の天気予報で確認してほしい。
また、中秋の名月の近くにある土星を見ることもできる。国立天文台は、月が明るいため土星(0.6等)はやや見づらいかもしれないが、お月見の際は、土星にも目を向けてみてほしいと呼びかけている。古くから月を愛で、親しんできた日本では、太陰太陽暦の9月13日の夜「十三夜」にもお月見が行われてきた。月の形から「栗名月」「豆名月」と呼ばれる十三夜は、中秋の名月「前の月」に対して「後(のち)の月」、中秋の名月とあわせて「二夜(ふたよ)の月」とも呼ばれているという。今年の十三夜は、11月2日にあたる。一気に秋の気配が深まる夜長に、お月見を楽しんでみてはいかがだろうか。