篠原欣子記念財団は2025年11月14日、介護や学習支援などケア領域の課題解決を目指す「ケアテック・イノベーション・コンテスト2025」の公募を開始する。小中高生から大学生・一般までを対象に、プロトタイプ部門とアイデア部門の2部門で募集。助成金は最大2,000万円、応募は2026年1月16日まで。
日本の教室の外では、超高齢化社会、小中学生の不登校の増加、子供の自殺、日本語指導が必要な児童生徒の増加など、切実な課題が進行。ケア領域は、介護や障害、子育て、メンタルヘルス、学習支援、ヤングケアラーやビジネスケアラーなど、すべての人に関わる社会課題を抱えている。テクノロジーの価値は導入そのものではなく、現場に定着して生産性と働きやすさを向上させることにある。同財団は、Well-beingの最大化と生産性の向上を両輪に、ケアする人とケアされる人の双方の笑顔につながる挑戦を応援することを目的として、このコンテストを開催する。
募集部門は、すでに形になっている試作品や実装、成果物を対象とする「プロトタイプ部門」と、まだ形になっていない自由な発想を対象とする「アイデア部門」の2部門。応募カテゴリーは「小・中学生」「高校生」「大学生・一般(個人・チーム)」に分かれており、創業初期・シード期のスタートアップも応募できる。
ケアとテクノロジーを広く対象としており、テーマは自由に設定できる。テーマ例としては、ヤングケアラー支援、居宅介護の負担軽減(見守り・遠隔ケア・記録のデジタル化など)、障害児・者の自立支援(コミュニケーション支援・特別支援教育アプリなど)、高齢者の認知症ケア、産前・産後ケア、介護者のメンタルヘルス、学習支援・教育、生活支援・防災・ボランティア連携などがあげられている。
「リアルな課題」を題材に、子供たちが課題を見つけ、考え、形にする、そして人に伝えるという一連の学習サイクルを回すと、学びが他人事から自分事へと転換する。このコンテストは、教室での学びと社会課題を1つに結び、学習をドライブする。
各部門・カテゴリーごとに助成枠が設けられている。プロトタイプ部門では、「大学生・一般」が上限2,000万円(2件)、上限500万円(2件)、上限150万円(2件)。「高校生」は上限100万円(2件)。「小・中学生」は上限80万円(3件)となっている。アイデア部門では、「大学生・一般」が上限100万円(1件)、上限50万円(5件)。「高校生」は上限10万円(5件)。「小・中学生」は上限5万円(5件)。いずれも申請額の70%から100%の範囲で採択金額が決定される。
応募期間は11月14日から2026年1月16日午後11時59分まで。一次審査の結果は2026年2月16日の週に、二次(または最終)審査の結果は2026年3月9日の週に通知される。応募者が開発・創出した知的財産権は、すべて応募者に帰属する。財団は助成により生じた知的財産について、使用権や優先実施権などの権利を取得しない。ただし、成果普及を目的とした広報活動の際には、応募者の了承を得て掲載する場合があるとしている。最終審査・表彰式は2026年3月22日に京王プラザホテル(東京都新宿区)で午後1時から開催予定で、来場が必須となる。
応募は、応募管理プラットフォーム「Graain」からエントリーする。応募者情報や助成金使途明細、推薦状などの提出が必要で、詳細は各部門の募集要項で確認すること。未成年者の応募には保護者の同意書が必要。
主催する篠原欣子記念財団は、「人々の可能性や幸せ=Well-beingの最大化」をミッションに掲げ、ケアする人とケアを受ける人の笑顔と自立を支える取組みを進めている。同コンテストは、小中高生から大学生、一般、研究者、シード期スタートアップまで、誰もが挑戦できる開かれた仕組みとして設計されている。
◆ケアテック・イノベーション・コンテスト2025
応募期間:2025年11月14日(金)~2026年1月16日(金)23:59
対象:小・中学生、高校生、大学生・一般(個人・チーム)、スタートアップ(創業初期・シード期)
募集部門:プロトタイプ部門、アイデア部門
参加費:無料
申込方法:応募管理プラットフォーム「Graain」よりエントリー
締切:2026年1月16日(金)23:59
【スケジュール】
・一次審査結果通知:2026年2月16日の週
・二次(最終)審査結果通知:2026年3月9日の週
・最終審査/表彰式:2026年3月22日(日)13:00~
※来場必須、公開プレゼン・実演・質疑応答
※会場:京王プラザホテル(東京都新宿区)

