東京都は2025年11月21日、冬季に多発するノロウイルスなどの感染性胃腸炎について注意を呼びかけた。2025年第46週(11月10日~16日)の定点あたり患者報告数は5.41人。警報レベルの開始基準値には達していないが、例年これからの季節に増加する傾向にあるため、注意喚起している。
感染性胃腸炎とは、おもにウイルスなどの病原体を原因とする胃腸炎の総称。ノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどを原因とする。おもな症状は腹痛・下痢、嘔吐、発熱。症状のある期間が比較的短く、流行状況や症状から「感染性胃腸炎」として診断されることがある。
感染性胃腸炎の警報レベルの開始基準値は、定点あたり20人。警報レベル開始基準値を超えた保健所の管内人口の合計が30%を超えた場合は、広域的に流行が発生・継続しているとして警報が発出される。
都内264か所の小児科定点医療機関から寄せられた第46週の患者報告数は、定点あたり5.41人。都内では、第36週(9月1日~7日)から第46週までに保育所26件、幼稚園3件、小学校2件など、計37件の集団感染事例が報告されている。
全国的な感染状況は、第46週の全国平均が定点あたり3.98人。いずれの都道府県も警報レベルには達していないものの、東京都は大分県8.39人、石川県7.25人、岐阜県6.74人、岩手県6.44人、群馬県6.28人についで高い状況にある。
感染予防のポイントは、こまめな手洗い、二枚貝の十分な加熱調理、吐物やふん便の適切な処理など。感染性胃腸炎のおもな原因となるウイルスはアルコール消毒の効果が乏しいため、ひとりひとりが手洗いをきちんと行うことが大切だとされている。

