Educational Networkが発行する教育情報誌「私立中高進学通信」の12月号に、特集「2026年 受験生のための『中学入試採点ポイント』の読み方」が掲載されている。誌面では、主要校が2025年入試で実施した出題内容と採点方針に関するアンケート結果をもとに、入試で重視される採点基準や得点につながる答案の特徴を、学校別・教科別に整理して紹介している。これから入試本番を迎える受験生や保護者にとって、実際の採点観点を把握できる内容となっている。
「私立中高進学通信」は首都圏の私立中高一貫校の最新動向、学校紹介、入試情報を届ける月刊誌で、受験生家庭や進学塾で広く活用されている。12月号の特集では、おもに算数・国語・理科・社会の4教科の採点方針について、学校ごとのアンケート結果をまとめ校名順(五十音順)で掲載している。選択回答として英語に関するアンケートも実施しており、回答した一部の学校は英語についても掲載がある。各教科の最後には、答案の書き方の注意点や学習アドバイスなど、各私立学校の先生から受験生に向けたメッセージも寄せられている。
具体的な採点ポイントとして、記述形式の採点方針や途中式の扱い、漢字間違いの減点基準などを取りまとめている。各校の採点ポイントをみると、たとえば渋谷教育学園渋谷中学校の理科では、語句・用語記述問題で漢字間違いは減点対象とし、部分点はなし。文章記述では「キーワードを含むかどうか」を採点基準とし、部分点ありで採点していた。作図・グラフ化問題も部分点を与えて採点し、時事問題は幅広い分野から出題。受験生に向けては、「日ごろからいろいろなアンテナを張り疑問をもち、それを追求してください」とのアドバイスを寄せている。
千葉県の共学校・市川中学校は、算数の作図・グラフ作成問題について「作図・グラフ作成が正しくできていれば解答が不正解でも部分点を与える」と回答。国語では記述問題を複数のポイントが書けているかで評価し、漢字のトメ・ハネ・ハライは減点対象として扱った。国語については「読解力・記述力がポイント。漢字も意味をしっかりと理解することが重要です」とアドバイスしている。
女子校では、豊島岡女子学園中学校が、国語の漢字のトメ・ハネ・ハライは減点対象としない一方、理科の語句・用語記述の漢字間違いや、社会の漢字間違いは減点対象とした。社会では、漢字指定の有無に関わらず漢字間違いは減点している。算数では「問題を最後まで解き切る正確さやスピードも意識してほしい」とし、国語・理科・社会については「さまざまな事柄に興味をもち、意識を向け、楽しんで学習してください」とのメッセージを伝えている。
また、近年人気が高まる広尾学園小石川中学校は、算数の途中式について、途中式・考え方があっていれば不正解でも部分点を与える一方、0と6、7と1など判別がつきにくい数字は不正解とするなど答案の明確性を重視している。国語の記述問題では字数指定を設け、字数の8割に満たない解答は減点対象とする方針と回答している。
特集ではこのほか、分析力を問う問題への取組み、作図問題の注意点、ニュースから得られる社会科・理科の学習アドバイスなど、学校ごとに丁寧に紹介されている。実際の採点基準を知ることで、受験生は答案作成時の視点が明確になり、直前期の学習に役立てられる内容となっている。

