【大学受験2027】東大「さつき会奨学金」大幅拡充…女子比率30%を目指して支援

 東京大学は2025年12月2日、女子卒業生の会と連携した「さつき会奨学金」を2027年度入学生より大幅に拡充すると公表した。新たに2種類の給付枠を創設し、支援対象と採用規模を広げる。全国の女子に広く東大の門戸を開き、学生層の多様化を進めたい考え。

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東京大学 さつき会奨学金の大幅拡充について
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 東京大学は2025年12月2日、女子卒業生の会と連携した「さつき会奨学金」を2027年度入学生より大幅に拡充すると公表した。女子学生の比率向上や地方からの進学を後押しするため、新たに2種類の給付枠を創設し、支援対象と採用規模を広げる。全国の女子に広く東大の門戸を開き、学生層の多様化を進めたい考え。

 さつき会奨学金は、東京大学女子卒業生の同窓会である「さつき会」の提案により創設された給付型奨学金。2013年度の支給開始以降、2025年度までに計113名の奨学生に給付を実施している。2027年度入学生からは、従来の給付枠(A型)に加え、「都道府県指定口(B型)」と「家計基準撤廃口(C型)」の2区分を新設し、支援対象と枠数を大幅に拡充する。

 新たに設けられた「都道府県指定口(B型)」は、地域ごとに寄付を募り、300万円ごとに1名を採用する仕組みの奨学金。すでに大分県で2名分の寄付が集まっているという。他地域の情報は随時Webサイトで公開される。地方出身者の東大挑戦を後押しする制度として、支援の裾野がさらに広がることが期待される。

 また、「家計基準撤廃口(C型)」は、経済状況にかかわらず全国から年間30名を採用する新しい枠となる。従来の奨学金制度では家計基準が採用判断に用いられていたが、この枠では家計条件を問わず、挑戦意欲や将来への高い志を持つ学生に門戸を開く。学びたい気持ちを応援するための新たな支援策として位置付けられている。

 東京大学は、女子比率向上に向けた取組みを全学的に進めており、従来のA型とあわせ、全3類型で多様な女子学生の東大進学を力強く支援したいねらい。近年、地方からの受験者が減少傾向にある中、女子学生の挑戦を促し、大学の目標である「女子比率30%」の実現を目指す。

 いずれも給付型・予約採用型の制度で、受験前に申請・選考を行う。申請は在籍校を通じてのみ受け付けているため、詳細はWebサイトおよび在籍校の教員に確認のこと。なお、2026年度入学生向けの申請期間はすでに終了している。

《畑山望》

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