産業能率大学は2025年11月14日、大学受験生が直面する経済的負担に関する解説動画の公開を発表した。文部科学省が問題解消を呼びかけ、注目が集まる「入学金二重払い」の仕組みや背景を解説、入試スケジュール管理のコツなども紹介している。
私立大学の受験生や保護者にとって、大学受験から入学手続きにかかる経済的負担は年々増加しており、現在、特に「入学金の二重払い」が注目されている。複数大学を併願する場合、第一志望校の合格発表前に他大学の入学金を納入しなければならないケースがあり、受験生や保護者にとって大きな経済的負担となっている。こうした状況を受け、文部科学省は2025年度、全国の私立大学に入学料の負担軽減を呼びかけ、2026年度入試に向けて、入学金の二重払いを解消するための取組みを促している。
合格発表のタイミングと入学金の納入期限は大学ごとに異なり、複雑な全体像を把握することは容易ではない。「大学ごとに合格発表日も入学金の納入日もバラバラで、どうスケジュールを組めばいいかわからない」という、受験生の声も寄せられているという。今回の動画制作・公開は、その仕組みや背景を整理し、発信することで、受験生たちが不安なく受験に臨めることをサポートするもの。
今回公開された「入試とお金」の解説動画は3本。「『入学金二重払い』の実態をアニメで『知る』」では、「入学金二重払い」の仕組みや背景を解説し、なぜこのような状況が起こるのかを直感的に理解できる内容となっている。「『還付方式』と『猶予方式』をアニメで理解する」では、「大学無償化」として知られる高等教育の修学支援新制度における、入学金・授業料の減免の仕組みを解説。「還付方式」と「猶予方式」の違いを、図解的に整理している。「本学職員が語る知らないと損する入試スケジュール管理のコツ」では、併願スケジュールの立て方や支払い期日の管理など、現場の視点から実践的なアドバイスを紹介する。
なお、産業能率大学では、受験生の負担軽減と入学手続きにおける二重払いの防止を目的として、入学金が全額返還される「一次手続金返還制度」を運用しており、2026年も一次手続後、二次手続期限(3月11日)までの入学手続辞退で一次手続金(入学金)25万円を「全額返還」する。

