今年の天気を表す漢字「酷」過去最高の平均気温

 日本気象協会は2025年12月7日、気象予報士120名の調査をもとに、2025年の「今年の天気を表す漢字」を「酷」に決定したと発表した。8月5日に群馬県伊勢崎市で国内最高気温41.8度を観測し、酷暑日は25地点と記録的な暑さとなった。夏の平均気温は統計開始以来最高を記録した。

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2025年の天気を表す漢字
2025年の天気を表す漢字 全 2 枚 拡大写真

 日本気象協会は2025年12月7日、気象予報士120名の調査をもとに、2025年の「今年の天気を表す漢字」を「酷」に決定したと発表した。8月5日に群馬県伊勢崎市で国内最高気温41.8度を観測し、酷暑日は25地点と記録的な暑さとなった。夏の平均気温は統計開始以来最高を記録した。

 日本気象協会は、所属する気象予報士120名を対象に2025年11月4日から14日にかけてアンケート調査を実施。その結果、2025年の「今年の天気を表す漢字」として「酷」が1位に選ばれた。同漢字は12月7日に東京都杉並区高円寺の気象神社で開催された「高円寺お天気フェス2025」にて発表された。

 2025年の夏(6月から8月)は、記録的に早い梅雨明けとなったことから、早い時期から全国的に暖かい空気に覆われた。8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測し、国内の歴代最高気温を一気に0.7度も更新した。これまでの国内最高気温は、埼玉県熊谷市(2018年7月23日)と静岡県浜松市(2020年8月17日)で観測した41.1度だったが、2025年7月30日に兵庫県丹波市柏原町で41.2度を観測し、その後8月5日に群馬県伊勢崎市で41.8度を観測し、国内最高気温を大幅に更新した。

 日最高気温40度以上を観測した「酷暑日」地点数も記録的なものとなった。酷暑日は、2024年は9地点だったのに対し、2025年は25地点となり、過酷な暑さとなった2024年と比較しても、2025年は桁違いの暑さとなった。この夏の日本の平均気温は平年差+2.36度となり、これまで最も高かった2023年、2024年の+1.76度を上回り、統計を開始した1898年以降の夏としてもっとも高温となった。

 日本気象協会では、2022年に近年の極端な暑さを考慮して、熱中症予防の普及啓発・注意喚起を一層強化することを目的に、最高気温40度以上の日を独自に「酷暑日(こくしょび)」と命名している。一方、気象庁も2025年9月17日に、2025年の異例の暑さを踏まえ、最高気温40度以上の日の新しい名称を検討することを発表している。

 今回選ばれた「今年の天気を表す漢字」は、日本に唯一という「気象」の神社「気象神社」にて、宮司の松井美加子氏に揮毫いただいた。日本気象協会公式の天気予報専門メディア「tenki.jp」では、2013年から毎年「今年の天気を表す漢字」を発表しており、2025年で13年目を迎える。

 なお、2025年の発表より、選定頻度が群を抜いて高い「暑」を殿堂入りとし、「今年の天気を表す漢字」の候補から外している。これまで、「暑」は2013年、2022年、2023年、2024年に選ばれ、特に直近は3年連続で選ばれている。

 各漢字の選考理由の詳細は「2025年 今年の天気を表す漢字」特設ページで確認できる。

◆2025年の「今年の天気を表す漢字」TOP5と選考した気象予報士のコメント(調査結果より一部抜粋)
1位「酷」
最高気温が40度以上の「酷暑日」が当たり前になったことをより一層痛感した年になった
2位「猛」
猛り狂うような暑さが印象的だった。局地的に猛烈な雨が降った
3位「変」
梅雨の時期に雨があまり降らなかったり、フィリピンから北上する台風がなかったり、例年と異なる変な天気だった
4位「異」
近年の気象状況は明らかに異常。過去の経験からは思いもよらぬ高温や豪雨が多い
5位「長」
梅雨明けが異例に早かったこともつながるが、夏が長くなっている

《風巻塔子》

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