【大学受験2026】文系人気が回復、相次ぐ後期日程廃止…共通テストまで1か月、駿台が読み解く最新動向

 2026年度の大学入試共通テストまで残り1か月。昨今の傾向や、9月の第1回駿台・ベネッセ共通テスト模試データから見えてきた受験生の志望動向、ここからの対策や心構えについて、駿台予備学校 入試情報室長・城田高士氏に話を聞いた。城田氏がまとめた50ページにおよぶ分析資料から、2026年度大学入試の最新動向を探る。

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駿台予備学校 入試情報室長・城田高士氏
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 2026年度の大学入試共通テスト(以下、共通テスト)まで残り1か月。昨今の傾向や9月の第1回駿台・ベネッセ共通テスト模試データから見えてきた受験生の志望動向、ここからの対策や心構えについて、駿台予備学校 入試情報室長・城田高士氏に話を聞いた。

 城田氏がまとめた50ページにおよぶ分析資料から、2026年度大学入試の最新動向を探る。

2026年度入試の最新動向:共通テスト離れと安全志向

--ここ数年の志願者数の推移、2026年度の状況について教えてください。

 まず受験人口ですが、2025年度は前年度比で約1万5千人増。2026年度も昨年並みか微増の見込みで約66万4千人と見ています。

 センター試験時代の出願者はかつて60万人を超えていましたが、共通テストとなった現在は50万人を切る状況です。総合型選抜・学校推薦型選抜など、年内入試の広がりによる共通テスト離れが進んでいることが読み取れます。かつてのセンター試験は基礎的な問題が多く、「対策しておけば私立大入試にもつながる」と言われましたが、共通テストは難関大志望者をターゲットにした出題という色合いが濃くなっています。私立大の個別試験とも傾向が異なってきました。私立大専願者にとっては共通テスト対策が負担になってきており、それが共通テストを敬遠する原因になっているようです。

 また、2026年度の特徴として、高等学校等卒業見込み者、つまり現役生の出願者数が前年度に比べて約5,700人減少しています。一方で、高等学校卒業者等、つまりいわゆる浪人生は6,000人以上増えています。

 なぜ、浪人生が増えているのか。その背景として、2025年度入試で安全志向が強まったことが考えられます。難関大の志願者が減る一方、私立大の志願者は約8%増加しました。こうした動向から、第一志望より入りやすい大学を受験して進学したものの、不本意な進学に後悔し、再受験に踏み切る人が増えているためではないかと見ています。ただ、大学に籍を置きながら受験勉強を続ける仮面浪人は難しい面があります。遠回りにもなりかねませんので、今年の受験生の皆さんには後悔のないよう、ぜひ初志貫徹で第一志望に挑戦してほしいです。

国公立大学の志望傾向:文系人気が回復

--国公立大学の志望動向について教えてください。

 2026年度の国公立大の全体指数は101と、ほぼ前年並みに国公立大を目指している人がいる状況です。今年は文系人気の復活が特徴で、外国語系、法、経済・経営・商学系の志望者が増加しています。

 コロナ禍では医療への関心の高まりや就職不安から理系学部が人気でした。しかし、コロナが収束し、現在は売り手市場となったことで、就職のために学部を選ぶのではなく、自分の興味・関心に素直に従った学部選びに回帰しているように感じます。コロナ禍で一時人気を落とした国際系の学部も、インバウンド回復の影響から2025年度には志願者が顕著に増加し、2026年度も高止まりしています。農業・水産系も増えています。昨今のコメの価格高騰などもあり、家庭内でも「食」の安定供給や安全性などが話題に上る機会が増えたことも一因かもしれません。

 国公立大医学部医学科の入試では、後期日程の廃止が相次いでいます。50校のうち、2025年度は16校で後期日程が実施されていましたが、2026年度入試からは旭川医科大、山形大、佐賀大で後期日程が廃止され、後期日程を実施する大学は13校になります。

 これにより、北海道では後期日程の実施校はゼロに、東北地区では秋田大学のみが残る形になります。九州地区では佐賀大の後期日程が廃止となったことから、鹿児島大の後期日程の志望者指数は164に達しています。後期日程の間口は確実に狭まっていますので、受験生には前期日程で合格するつもりで臨んでいただきたいと思います。

 2025年度は共通テストの平均点が高く、テスト後の自己採点集計の段階では国立難関大の志望者は増えていたのですが、蓋を開けてみると、東京大、東京科学大、一橋大など首都圏の超難関大の出願者は減っていました。

 今年9月の模試の時点での志望者は、ほぼ昨年並みになっています。一橋大の人気が目立っていますが、これは文系の志望者が増加していることも関係していると考えられます。

 2025年度入試は、共通テストの平均点が3年連続で上がった年となりました。2026年度は平均点が下がる可能性が高いと考えられます。平均点が下がると安全志向が強まる傾向がありますから、今年も平均点次第では難関大を敬遠する人が多くなると思われます。これは、初志貫徹して第一志望を諦めなかった人にチャンスが拡大するということでもありますので、ぜひ最後まで頑張ってください。

私立大学の志望傾向:二極化傾向へ

--私立大学の志望動向について教えてください。

 私立大志望者の全体指数は102と、やや増えている傾向です。私立大も国公立大と同様に文系が持ち直しています。外国語系は減っていますが、法、経済・経営・商学系は増えています。一時話題となり人気が出たデータサイエンス系も人気傾向が続いています。保健衛生や薬学系が減少、歯学系が増加、農・水産系も増えるなど、この辺りの理系の動きは国公立大と同様の傾向が見られます。

 大学ごとの志望者指数を見ると、早慶上理、MARCH、関関同立などの大学群で概ね増加という動向です。私立大は年内入試が多数派になりつつある中で、一般選抜を選ぶ人は志が高く、「難関大を目指そう」という人が多いと思われます。また、国公立大志望の受験生が併願を考えた際に候補となるのがこうした大学です。

 一方で、大学全入時代において定員割れの大学も半数あります。私立大の二極化の傾向は今後も進んでいくと思われます。

直前期は、量より「弱点の克服」がカギ

--受験生が判定に一喜一憂しないよう、この直前期に模試の結果をどのように見ると良いかポイントを教えてください。また、そのうえでどのように学習を進めると良いかアドバイスをお願いします。

 駿台のデータや、私自身が長年受験生を見てきた経験からも、特に現役生は直前期に大きく伸びます。秋の模試で満足の行く結果が出ず、保護者の方から「C判定なので無理ですよね」と聞かれることが多いのですが、私たちには「C判定だから諦める」という発想はありません。むしろ、この時期にもっと良い判定が出ているなら、それは目標の設定が甘いと考えても良いのではないでしょうか。

 実際に、どの大学でも、もっとも合格者数が多く出るのは、9月の模試でC判定だった層です。ですから、合格可能性判定は参考程度にして、自分の苦手科目や弱点分野を明らかにするために模試を活用してください。過去の模試を見返して、何度も間違えている箇所、正答率が高いのに自分は落としている箇所があれば、そこを放置しないことが何より大切です。「網羅的に勉強しないと気が済まない」という気持ちもわかりますが、残り時間は限られています。やるべきことに優先順位をつけ、重点的に取り組むことが大切です。

--12月時点では志望校判定が思わしくなかったものの、最終的に第一志望合格を勝ち取った生徒には、どのような共通点が見られますか。

 直前期に大きく力を伸ばし、いわゆる“逆転合格”を決める生徒には、自分の学力と苦手分野を冷静に分析し、掘り下げて対策しているという共通点があります。よく「問題集を何周した」「過去問を何年分解いた」という話がありますが、闇雲に量に走るのはお勧めしません。過去問で傾向をつかみ、出題形式に慣れることはもちろん大切ですが、それ以上に 自分の苦手を克服しておくほうが重要です。

「“逆転合格”を決める生徒には、自分の学力と苦手分野を冷静に分析し、掘り下げて対策しているという共通点がある」

 受験勉強というのは、「終わらない状態で本番を迎えるもの」です。ですから、直前期に模試を全部やり直す時間がなくても焦る必要はありません。その代わり、間違えた問題だけをノートにコピーして見直すなど、効率的に弱点を潰していってください。この「間違いノート」は自分が頑張ってきた証でもありますし、本番当日も手元にあると安心できるのではないでしょうか。

初志貫徹で、後悔しない受験を

--本番を控える受験生にメッセージをお願いします。

 2025年度は新課程の共通テストの初年度でしたが、平均点が上がりました。平均点が上がると強気の出願が増えるのが一般的なのですが、実際の出願では安全志向が見られました。2026年度は、共通テストの平均点低下が予想されますが、たとえ共通テストの結果が芳しくなくても、「できなかったのは自分だけではない」と冷静になり、学校や塾の先生など信頼できる人に相談しながら、ぜひ後悔ない選択をしてください。不安であれば、安全校の受験を増やしてでも、第一志望はあきらめないでほしいと思います。

--最後に、来年度以降に受験を控える中3・高1・2生に向けて、駿台模試のラインアップと活用のメリットをお聞かせください。

 高1・2生向けの『駿台atama+学力判定テスト』は、オンライン専用の選択式テストで、教科書レベルの基礎力を測れる試験です。年6回実施されるため、学校の学習内容が身に付いているかを網羅的に確認できます。難関大志望者でも、最終的に基礎力不足が足を引っ張ることが少なくありません。「基礎の抜け」を防ぎ、着実に学力を付けていくためにも、ぜひ活用していただきたいと思います。

 一方で、中3から高3(卒)までの学年で実施してる『駿台全国模試』は、ハイレベルな記述・論述式模試です。中3は年1回、高1・2は年3回、高3(卒)は年2回実施しています。これだけの数を継続して受験できる模試は他にありません。年内入試が拡大する中で、一般選抜を目指すのは学力の高い層や難関大志望の人が中心になってきていますから、そうした受験生にとって非常に意味のあるレベル設定になっています。ハイレベルではありますが、高校で学んだことがしっかり身に付いていれば解ける問題が大半ですので、過度に構える必要はありません。

 高1・2のうちからこの模試を継続して受験することで、自分の成長を明確に可視化できます。さらに、実際に本番で競うことになる学力上位層と一緒に受けるため、自分の位置を正確に把握でき、良い刺激にもなるはずです。また、受験後には詳細な統計資料や実際の答案に多かった間違いからのアドバイスをまとめた「採点講評」などが提供されるため、弱点分野の強化にも役立ちます。記述・論述問題は、思考力や判断力を問う難関大の年内入試を受ける人にとっても大きな力となりますので、ぜひ積極的にチャレンジしてください。

--ありがとうございました。


 昨今の受験傾向を象徴するキーワードは「安全志向」のようだ。だからこそ、受験生を見続けてきたプロの「第一志望だけは絶対に受けてほしい」という言葉が重く響く。どうか最後まで自分を信じ、納得のいく選択をしてほしい。本記事が、迷いの中で進む方向を照らす一助となれば幸いだ。

第一志望は、ゆずれない。
駿台予備学校

《なまず美紀》

なまず美紀

兵庫県芦屋市出身。関西経済連合会・国際部に5年間勤務。その後、東京、ワシントンD.C.、北京、ニューヨークを転居しながら、インタビュア&ライターとして活動。経営者を中心に600名以上をインタビューし、企業サイトや各種メディアでメッセージを伝えてきた。キャッチコピーは「人は言葉に恋♡をする」。

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