スピークバディは2025年12月5日から8日にかけて、英語学習経験・意向のある国内20代から50代439名を対象に、語学学習に関するアンケート調査を実施した。生成AIや翻訳技術が急速に進化する中でも、英語を「自分の言葉で話したい」という意欲は揺らいでいないことが明らかになった。
AI翻訳技術の急速な進化が英語学習意欲に与えた影響について調査したところ、「意欲が高まった」(18.9%)と「やや意欲が高まった」(35.1%)をあわせて54.0%が「意欲が高まった」と回答した。また「特に変わらない」(31.4%)を含めると、全体の85.4%が意欲は下がらなかったと答えており、AI翻訳の精度向上が英語学習意欲の低下につながっていないことが判明した。
意欲が下がらない理由として、「自分で話せる力に達成感や喜びを感じるから」(33.6%)、「直接話すほうが相手とより親密な関係を築けると感じるから」(32.3%)などがあげられた。AIが翻訳の大部分を担えるようになっても、「自分の言葉で話す」という体験価値は依然として代替されにくいと考えられていることがわかる。
2026年に英語学習に取り組む予定を尋ねたところ、70.2%が「ある」と回答した。学習開始時期については、「来年(2026年)から始める」15.7%、「今年(2025年)から始めた」16.9%、「2から3年前から継続している」20.7%という結果となり、直近3年以内に学習を始めた層と来年から始める層が半数を超える構造が見られた。
生成AIや翻訳AIが話題となった中でも、過去3年以内に学習を開始した人と、来年から始める予定の人をあわせると半数以上となる。
2026年に英語学習に取り組む目的として、「現在の仕事で海外の方との交流が必要なため」(28.9%)、「キャリアアップ・転職など将来の仕事のため」(28.2%)、「海外旅行を楽しむため」(26.9%)が上位にあげられた。年末は自身のキャリアや生活スタイルを見直す時期だが、仕事と体験価値の両面で英語の必要性が高まっているようすがうかがえる。
具体的に達成したい英語スキルとしては、スピーキング力向上(58.8%)、リスニング力向上(51.6%)、英語への抵抗の解消(35.7%)が上位に並んだ。これらはいずれも双方向のコミュニケーション、つまり会話力に直結するスキルやメンタリティであり、AI技術の進化により、文章理解や翻訳といった読み書きが支援されるようになった今、人が担うべき価値ある領域として、話す力があらためて注目されているという構造が見られる。
2026年に使おうと思っている英語学習の手段では、「AI英会話アプリ(スピーキング中心)」が44.8%で最多となり、英語学習アプリ(44.2%)、オンライン英会話(43.8%)などと拮抗しつつもやや上回る結果となった。
スピーキング力を伸ばしたいというニーズが高まる中、AIを活用した話す練習のしやすさが選択理由のひとつになり、「AI英会話」が英語学習の主要な選択肢として浸透しつつあるようすが確認できる。
今年は生成AIや翻訳技術の進化が顕著で話題にもなった。一方で、英語学習においては「英語を使って自分の言葉で話したい」というニーズが揺らいでいないことが同調査で明らかになった。
さらに、2026年に身に付けたいスキルとしてスピーキング力が最多であったことから、AI時代における会話力の再評価が進んでいることが示唆される。
新しい年を迎えるにあたり、「話せるようになりたい」「海外に行きたい」「キャリアを広げたい」など、来年の抱負として英語学習を選ぶ人が今後も増えていくことが期待される。

