国際NGOプラン・インターナショナルは、全国高等学校PTA連合会の協力を得て、全国の高等学校に在籍する生徒の保護者を対象とした「心と体を守る教育」に関する意識調査レポートを発表した。「心と体を守る教育」の理念に対し、約99%の保護者が共感を示した一方、知識の伝達にとどまらない包括的教育への期待がきわめて高いことが明らかとなった。
調査は2025年9月1日から10月24日にかけて、オンラインアンケート形式で実施され、1,906名から有効回答を得た。保護者が抱く「心と体を守る教育」に対する期待や不安を把握し、学校現場での導入や制度化を後押しするためのエビデンスを得ることを目的に実施された。調査は全14問で構成され、性教育への理解・関心、不安、期待、学校教育への要望などを尋ねた。
「心と体を守る教育」の理念に対し、約99%の保護者が共感を示した。「とても共感する」「ある程度共感する」を合わせると1,880件に達し、知識の伝達にとどまらない包括的教育への期待がきわめて高いことが明らかとなった。
「性教育」という言葉から保護者が想起する内容については、「妊娠・避妊」「性的同意」「SNSトラブル対応」など、実生活に即したテーマへのニーズが強い一方で、「教員の指導体制」「内容の適切性」「家庭の価値観との違い」への不安も一定数確認された。
「学校の先生と外部専門家が連携して行う授業」(1,239件)、「専門家による授業」(1,365件)を支持する回答が多く、助産師・看護師・心理士・医師などの関与への期待が高いことがわかった。自由記述では「担任への気まずさ」や「教員の専門性不足」への懸念も指摘されており、教育の担い手に多様性を持たせる必要性が示唆される。
保護者の不安の背景には、「教育内容が見えないこと」への不安感が大きく影響していると考えられる。「授業内容の事前説明」(1,178件)、「教材の事前確認」(1,108件)、「保護者説明会の実施」(1,027件)など、教育内容の可視化と学校との信頼関係構築が求められている。自由記述からは、多くの保護者が、受け身ではなく、教育に参画したいという姿勢を持っていることも読み取れる。
「体系的に教えてほしい」(795件)、「小学校低学年から段階的に教えてほしい」(769件)など、年齢や発達に応じた構造的・連続的なカリキュラムへの期待が示された。自由記述でも、「思春期を迎える前に基礎を学んでおくべき」といった意見が寄せられた。
性や心の教育に関しては、家庭の文化的・宗教的背景や価値観が大きく関わる。自由記述では、「家庭の価値観との差異」や「発達特性への配慮」など、画一的ではない柔軟な対応の必要性が指摘された。「内容が家庭の考えと異なるのではないか」といった慎重な意見も一定数見られた。
同調査結果を踏まえ、プラン・インターナショナルは自治体・学校・保護者と連携しながら、取組みを進めていくとしている。
具体的には、自治体と連携したパイロット授業の実施では、発達段階に応じた教育プログラムを策定し、学校現場で活用できる具体的な学びのモデルを提示する。さらに、パイロット事業には第三者評価を導入し、子供や教員の理解度や期待を客観的に可視化することで、より実効性の高い取組みへとつなげていく。
また、教育実践を支える外部専門家ネットワークの整備を進め、専門家の知見を学校現場に届ける体制を強化し、教育実践を支える環境づくりを推進するという。

