【中学受験】併願日程を家族で共有…無料ツール「hitomeru」

 個人事業のSUDO CRAFTは、中学受験で併願する学校の出願・試験・合格発表・入学手続きを日付順にまとめ、家族の誰が担当するかまで管理できる無料Webツール「hitomeru(ヒトメル) 中学受験」を公開した。パソコン、スマートフォンでも利用でき、A4・A3の印刷も対応している。

教育・受験 小学生

advertisement

学校をまたいだ予定を時系列に整理し、家族の担当まで確認できる「hitomeru 中学受験」
学校をまたいだ予定を時系列に整理し、家族の担当まで確認できる「hitomeru 中学受験」 全 6 枚 拡大写真

 個人事業のSUDO CRAFTは、中学受験で併願する学校の出願・試験・合格発表・入学手続きを日付順にまとめ、家族の誰が担当するかまで管理できる無料Webツール「hitomeru(ヒトメル) 中学受験」を公開した。パソコンでもスマートフォンでも利用でき、A4・A3での印刷にも対応している。

 ONETES(旧:首都圏模試センター)によると、2026年の首都圏中学入試における受験生1人あたりの平均出願校数は男女計7.76校(男子8.00校、女子7.51校)で、前年の7.47校を上回り過去最多となった。同じ学校を2回、3回と受けることもあるため、家庭で管理しなければならない試験・発表・手続きの予定は、受験校の数よりさらに多くなる。

 また、ONETESの推定では、2026年の首都圏私立・国立中学校の受験者総数は5万2,050人、1都3県を中心とした受験率は18.06%とされている。

 11月から12月は、模試の結果や学校説明会をもとに併願校を決め、各校の募集要項を読み込む時期だ。受ける学校が固まると、家庭では受験勉強を支えながら、出願・試験・合格発表・入学手続きの予定も管理していくことになる。

 2027年の中学入試は、埼玉が1月10日、千葉が1月20日前後、東京・神奈川が2月1日から本格化する。同じ学校に入試回が複数あれば、2回、3回と受けることもある。家庭では受験校の数だけでなく、回ごとの出願期限、試験の日時、合格発表、手続きの期限をそれぞれ把握しておかなければならない。

 さらに、募集要項の書き方は学校ごとに異なる。「入学手続 2月3日15時まで」とある学校もあれば、「手続期限:2月4日正午」とある学校もある。保護者はそれぞれの要項から日時を拾い出して、家全体の予定にまとめ直す必要がある。

 hitomeruを開発した運営者は、本業ではIT企業でプロジェクトの全体管理を担当している。中学受験の予定管理について調べると、ExcelやGoogleスプレッドシートで学校ごとの日程を表にする方法がよく紹介されていたという。表でも管理はできるが、2月3日に何が重なっているのか、ある学校の結果を待ってから次を決められるのか、この試験には家族の誰が付き添うのか、といったことは学校ごとに並べた表からは読み取りにくいと感じたとしている。

 「仕事なら、ガントチャートで時系列に並べ、担当者まで決めておく場面。中学受験も、家庭にとってはひとつのプロジェクトではないか」と考えたことが開発の始まりだった。サービス名の「hitomeru(ヒトメル)」は、学校ごとに散らばった予定と家族の担当をひとめでわかるようにまとめるというコンセプトから付けられている。

 併願の予定を組む際に特に注意が必要なのが、ある学校の入学手続きの締切が、別の学校の合格発表より先に来るケースだ。たとえば次のような日程が生じることがある(ツールの見本で使っている架空の日程)。2月1日にB学園を受験し、2月3日午前にE学園を受験する場合、B学園の入学手続き締切が2月3日午後3時、E学園の合格発表が2月3日午後7時となることがある。この場合、B学園の入学手続きをするかどうかは、E学園の結果を見る前に決めなければならない。学校ごとに予定を見ていると気付きにくいこうした前後関係も、すべての学校の予定を1本の時間軸に並べると見つけやすくなる。

 同ツールでできることはおもに3つある。(1)学校をまたいで、すべての予定を時系列にまとめる。募集要項を見ながら、出願・試験・合格発表・入学手続きの日時を入力すると、学校の枠を越えて日付順に並び、「表」「タイムライン」「カレンダー」の3つの形で確認できる。同じ学校を何回か受けるときは、1回目の内容を複製して異なる部分だけ修正すればよい。まだ決まっていない項目は空欄のままでかまわない。

 (2)付き添いや手続きの「誰がやるか」まで決める。願書、試験の付き添い、入学手続きのそれぞれに、家族の誰が担当するかを設定できる。4桁のパスコードを決めると保存・編集用のURLが生成され、家族に送れば同じ予定表を共同で閲覧・編集できる。閲覧専用のURLも作成可能だ。予定は利用者の端末で暗号化してから保存され、保存期限は最後に更新した日から180日となっている。

 (3)予定の重なりを確認し、紙やカレンダーにも持ち出せる。同じ日に2つの試験を受けるとき、前の試験が終わってから次の集合まで120分ない場合は「確認事項」として通知する。時間の重なりや、出願締切が試験日より後になっている入力も同様に通知する。予定表はA4・A3のPDFとして出力でき、「日付順の表」「タイムライン」「カレンダー」の3種類から選べる。試験や締切、合格発表の予定は、iPhoneのカレンダーやGoogleカレンダーにも読み込める。

 運営者自身も、2027年2月に中学受験を控える子供の親だ。公開前に、わが家で実際に考えている併願の予定を入れて妻と使い、「志望順位はいらない」「登校日は2回あることがある」「完成画面は日付順を最初に」など19件の指摘を受け、ひとつずつ修正したうえで公開している。

 運営者は「ここまでの娘の中学受験の過程を通じて、この選択が多くの子供たちにとって決して平たんではないことを、ひしひしと感じています。受験勉強そのものを親が代わることはできません。だからこそ、親の手続きのミスで子供の足を引っ張ることだけは避けたい。妻にだけこの複雑なプロジェクトを任せるのではなく、私も二人のためにできることをしたい。そんな思いから、ITプロジェクト業務で培った経験を生かして作成したのがこのツールです。多くの家庭で安心して使っていただけるよう、個人情報は入力なし、そして『無料』で使えるようにしました。多くの方にご利用いただき、手続きの締切を見落として悔しい思いをする家族が、一組でも減ることを願っております」(SUDO CRAFT 運営者)とコメントを寄せている。

 hitomeruは、中学受験のほかにも受験ごとの日程や手続きにあわせたツールを公開していく予定だ。2026年11月15日に「hitomeru 大学受験」、2027年1月上旬に「hitomeru 小学校受験」を公開するという。

 「hitomeru 小学校受験」では、出願・面接・考査・合格発表・入学手続きに加えて、保護者の仕事の休みや家族の付き添いなど、中学受験とは異なる予定の管理に対応する予定だ。私立小学校の入学手続きの期限が、国立小学校の結果が出る前に来ることもあるため、併願する学校の予定を日付順にまとめ、誰が付き添い、誰が手続きをするかまで決めて共有・印刷できる形にするとしている。受験の時期も入試の仕組みも進学段階ごとに異なるため、ひとつのツールにまとめず、受験ごとに分けて開発している。

 「hitomeru 中学受験」は無料で利用できる。

《風巻塔子》

advertisement

この記事の写真

/

advertisement

特集