【NEE2013】各国の取組みから見える教育の未来…シンガポール、韓国、日本
New Education Expo 2013で7日に行われた国際セッション「フューチャースクールから見えてくる教育の未来~シンガポール、韓国、日本の取組みから~」を紹介する。
教育ICT
その他
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
シンソク小学校のある仁川(インチョン)は、首都ソウルの近くにあり、人口約700万人の大きな都市で、アジアでも有数のハブ空港、仁川国際航空でも知られている。教育の情報化は以下のように進められた。
1996~2000年:基盤整備。教員1人1台PC、全国の教室をインターネット接続
2001~2003年:教室でのICT活用強化。コンテンツの開発・普及
2004~2005年:eラーニング環境の定着・強化
2006~:eラーニングからユー(ユビキタス)ラーニングへ。教育の質の向上。いつでもどこでも、個々に合わせた学習ができる環境を目指す
韓国ではモデル校として、デジタル教科書を利用する学校、スマートエデュケーションを行う学校がある。モデル校の教員は、昇進の際の評価に加点される。
スマートエデュケーションのSMARTは、Self Direct(自ら学ぶ)、Motivated(学習が楽しくなる)、Adapted(1人1人に対応)、Resource & Enriched(豊かな学習教材)、Technology aided(技術を活用する)の頭文字をとったもの。このような学びを実践する学校をスマートスクールとし、実証実験を行っていく。
シンソク小学校は、生徒680名、教員41名、クラス29、1クラスあたり23.4人という学校だ。
授業へのICTの導入に対して、当初、教員たちの反応は否定的だった。しかし、研究を進めるにつれて、肯定的なものに変わっていった。自主的なグループを立ち上げ、ICTを使ったよりよい教育について研究し合うという動きも出てきている。
教師の力量をいかに強化するかは大きな課題。2013年を教師力向上年と定め、さまざまな機会を通じて研修を受けることで力量強化を目指している。
授業では、フェイスブックなどのSNS、Googleフォームなどのアクセサリ、QRコード、オーギュメンテッドリアリティなどのサービスや技術を活用。たとえば、授業のようすを写真や動画で記録し、SNSで公開することでモチベーションを向上させたり、その記録をポートフォリオとするなどの活用をしている。
また、クラウドサービスを活用し、家庭学習もできるようにしている。
未来の学校について、従来は機能中心だったがこれからは感性中心に、知性重視から関係性重視に、情報中心から文化中心にならなければならない。そしてその背景には愛がなければならない。スマートエデュケーションとは、21世紀の子どもたちが、幸せでスマートな生き方ができるようになるための教育であるべきだと考えている。
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