府中市、生活保護世帯の中学生に学習支援「みらサポ」開始
東京都府中市は10月から中学生の学力、学習意欲の底上げを目的に生活保護世帯の子どもの学びを支援する「みらサポ」を開始した。運営はNPO法人「地域教育ネット」へ委託する。
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「みらサポ」は「子どもたちの未来をサポートする」をテーマに作られた事業だ。自分の現実を前にしてすべてが希望通りにはいかなくても、自分の夢を、未来を諦めないでほしいとの思いではじめたという。中学生を対象とする学習教室は市内の文化センターなど4か所で週に2~3回開催される。子どもたちの学習だけでなく進路指導にもあたり、ケースワーカーとの連携を取りながら、必要があればソーシャルワーカーを介して学校との情報の共有も行うこともある。
また、新たに生活保護世帯の子ども支援に特化した「子ども支援員」を配置することを決め、同じく「地域教育ネット」へ委託する。今までは生活保護世帯の支援はケースワーカーが担ってきたが、近年生活保護世帯の急増に伴い、子どもたちひとりひとりの学習支援まで手が回らないのが現状だという。
市生活援護課によると、東京都の支援事業である生活保護世帯の子どもの通塾費用補助(小学4年生から中学2年生が年10万円、中学3年生は年15万円を上限)を行っているが、実際に補助を利用しているのはわずか3割。全日制高校への進学率(2012年度)も、生活保護世帯は55%となっており、同市平均の89%に比べ34ポイントも低い水準となっている。また、その後の定着率も悪く、中退する生徒も多い。
市生活支援課は「一般的な学習塾はよりよい成績を求めていくのに対し、『みらサポ』は子どもの意識、学力、学習意欲の底上げをしたい」と話す。また、「少人数の個別学習で学校や学年、そして学力の違う子どもたちをよりきめ細やかな指導を通して、嫌々ではなく、楽しんで高校に通ってほしい。そして子どもたちの夢がすこしでも叶うように手助けできたらと強く思っている。」と語った。
「みらサポ」で勉強への意欲を少しでも押し上げ、「子ども支援員」の配置で生活する上での不安などに寄り添いともに解決していく方針だ。
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