【自ら学ぶ力が伸びる子育て術 3】本好きな子が育つ読み聞かせ
前回は「本好きな子が育つ本棚作りの工夫」をお話ししました。「出会い」がポイントでしたね。お子さん自身のタイミングに合わせて、少し先回りしつつ、自ら本を手に取ることができる環境づくりをしていきましょうというお話しでした。
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まず、本を読むときに親子はどのような位置で座ればいいのか、ということに意識を払ってください。
最初は本をはさんで親子が向かい合う形でいいでしょう。このとき、お子さんから見れば本を反対の向きで見ていることになりますが、気にすることはありません。子どもの目は本よりも、それを読んでいる親の顔やしぐさに向かっているからです。本と親の顔とを交互に見やすい位置に座らせてあげるのが、お子さんにとっても安心です。
しかし、お子さんの目が、お母さんやお父さんを見るよりも本そのものに向かい始めたら、座る位置は少し修正した方がいいですね。逆側から本を見ることが長く続くと、幼児の頭の中では文字が逆向きに記憶されてしまって、文字を読み取る感覚が上手く育たないことがあります。
といっても少しすれば脳の中で感覚は修正されるのですが、違和感を覚える期間は短い方がいいですからね。
座り位置をどう修正するかというと、向かい合わせから斜めの位置に移動するのです。お子さんとお母さん、お父さんが、本を挟んで90°から120°の位置関係になるように座ります。
親は少し斜めから本を見ながら読み聞かせ、子どもも本を斜めの位置から見るようにしつつ、少し顔を上げれば親の顔がすぐに確認できる。そういう位置です。
お話しを聞くだけでなくて、自分でも本に目が行き始めるように、しかも文字を正しい方向で見るように導く段階です。
さらにお子さんの目が本に向かう時間がだんだんと長くなってきたなら、膝の上に座らせて、一緒に本を読むようにしましょう。お子さんはお母さん、お父さんの体温を感じながら、耳で読み聞かせの声を聞きながら、目は本の絵や文字にだけ向かいます。
この体勢に慣れてきたら、さらに「読む」ということを意識させてあげましょう。
読み聞かせするときに、文字を指で追いながら読んでみてください。座り位置は斜めのポジションに戻した方が、お子さんの目の動きを確認できて、読むペースや指の動かし方が上手くいきます。
ちなみに絵本や低学年の国語教科書では、文が言葉のかたまりごとに区切られていることにお気づきですか? あれは、小学校高学年になって文法を習うときに出てくる「文節」なのですね。文法として問題を解くと難しく感じるのですが、幼少期から低学年の時期に実は体で覚えられるようになっているのですね。
ですから読み聞かせするときは、一区切り一区切り少し間を置きながら、はっきりとした発音で読んであげてください。お子さんが文節をリズムとしてとらえられるようになれば、文そのものの理解度も増していきます。
ばらばらの文字の羅列ではなく、言葉のかたまりごとに意識が働くため、「主語」「述語」「修飾語」といった文の中の成分がなんとなくわかってくるからです。もちろん、「主語」といった用語がわかるのは小学校3年生や4年生まで待たなくてはならないでしょうが、感覚的に、言葉の組み立てによって文が成り立っているということはわかっていくものです。
こういったことにも気を配りながら、読み聞かせを続けていると、お子さんも本の中の文字を目で追うことに慣れてきます。文字も覚えて、自分自身でも少しは読めるようになってきます。
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