防災教育アプリ「津波AR」を共同開発…宮城教育大、東北大
宮城教育大学環境教育実践教育センターと東北大学災害科学国際研究所の研究グループが共同で防災教育用アプリケーション「津波AR」を開発したと発表。スマートフォンなどの端末を用いた震災に関する学習や防災教育ができるアプリケーションになっている。
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平成23年に発生した東日本大震災後、学校における防災教育の必要性があるといわれ、宮城教育大学では、平成25年度から防災関連科目が必修授業となった。しかし、がれき撤去や復旧工事が進み津波被害などの痕跡が消え、被害の実態を感じたり、体験を伴った児童生徒の防災教育が難しい現状から、体験的なアプリケーションとして開発を行った。
開発には、東北大学災害科学国際研究所と原子力安全基盤機構が共同で運営しているWebシステム「津波痕跡データベース」を利用し、AR(Augmented Reality、拡張現実)技術を用いた。スマートフォンなどのカメラを通じて写した現実画面に、津波痕跡高情報を付加して映し出す。どの位置にどの高さの津波が来たかを直感的に知ることができる。津波痕跡高のほか、発生当時の被害状況の写真や避難所情報も表示される。
さらにパノラマ写真を用いてアプリ内で被災地の類似空間を作成し、疑似体験をしながら学習できる。研究グループによると、「近年重要視されている防災教育が体験と実感を伴ったものになるのでは」と期待している。
現在、「津波AR」に含まれる津波痕跡高の情報や被災地の写真は全国のデータが表示されるが、避難情報は宮城県内のみの情報になっているため、今後は県外の情報も載せる予定。さらに、地理教育の研究者や高校の教員などと同アプリの利用やコンテンツの開発、クイズ、パノラマチャンネルを使った教材などの開発も検討している。
アプリのダウンロードや使用方法などはホームページに掲載している。
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