社会を生き抜く力を子どもに…花まる学習会代表 高濱正伸氏
2015年4月から佐賀県武雄市でスタートした、官民一体型学校指定校による新たな教育への取組み。 この官民一体教育を牽引するひとりである、学習塾「花まる学習会」代表の高濱正伸氏に、子どもの教育に対する思いや今後の教育業界への展望について聞いた。
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高濱氏:学校に携わること以外で言うと、3つあります。1つ目は音楽教育を変えること。本物の美しさに触れ、音楽を楽しみの中で学ぶというものです。これは現在、花まるメソッドの「音の森」として始めていることです。
2つ目は、「上を上へ伸ばす教育」を考えています。落ちこぼれではなく、吹きこぼれた才能のある子を伸ばそうという取組みです。海外のように、12歳で大学を卒業する制度は日本でもできると思うのですが、この国の弱みのひとつは才能豊かな子をさらに上に伸ばせていないことだと考えています。今までの全員向けの教育も大切にしながら、いわゆる「天才」を伸ばす教育もしたいですね。
そして、3つ目は障害児教育です。障害児といっても幅が広いので一言では表せないのですが、この3つをすべてやっていきたいと思っています。
--最後に、保護者の方に教育に関するアドバイスをお願いします。
高濱氏:いいお母さんでいようと思わないでほしいということですね。ほかのお母さんからどう見られ、どう評価されているのかなどを気にしすぎないことです。
トラブルがイヤだから、人を傷つけてはいけませんよ、といったことばかり口にしていたら人は育ちません。たしかに、人を傷つけるのはいけませんが、程度の問題です。トラブルやけんかがあるから、子どもが将来強くなるのだと考えてください。
また、お母さんがホッとしていることも大事です。自分がホッとできる「カード」を見つけてほしいですね。一番いいカードは、自分のお母さんが近くに住んでいるというカード。母親は最高のカウンセラーなのです。「わかるわかる、でもこうだよ、昔だってこういうのがあったよ、お母さんだってそうだったから」などと言われるとスカッとするものです。
外で仕事をするのもいいことです。パートやアルバイトなど、週1のパートに出ただけで魔物が取れたようなお母さんが何人もいます。「きょうもお疲れさま」と認めてもらえる環境が外にあるだけで少し落ち着き、リセットされるものです。
--ありがとうございました。
花まる学習会は、幼稚園から小学生までを対象とする学習塾で、現在は首都圏や茨城、静岡、愛知を中心に教室を展開している。代表の高濱正伸氏は「メシが食える教育 『官民一体校』の挑戦」(角川新書)を3月に出版するなど多方面で活動を続けている。
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