研究に惹かれ広尾学園で医サイ進学、大学で生きる学びとは

 先進的なICT教育を実践している広尾学園中学校・高等学校の特徴のひとつ「医進・サイエンスコース」は、第一線で活躍できる医師や研究者の育成を目的としている。この医進・サイエンスコースの木村健太教諭と、卒業生の吉田楓さんに、医サイコースの魅力を聞いた。

教育・受験 学校・塾・予備校
医進・サイエンスコース卒業生 吉本楓さん(左)、マネージャー 木村健太教諭
医進・サイエンスコース卒業生 吉本楓さん(左)、マネージャー 木村健太教諭 全 10 枚 拡大写真
◆使えて「当たり前」気質のメディアリテラシーを育む学園風土

--医サイコースでも、ICTは活用されているのでしょうか。

木村先生:生徒たちは、スケジュール管理や研究テーマ検索、それから論文の検索などで情報機器を利用しています。

吉本さん:スケジュール管理以外には、論文を作成する際にも活用していました。たとえばスマートフォンで「ライフサイエンスディクショナリー」という電子辞書を使いながら、iPadで論文を読んで、パソコンで要約するといった使い方です。

木村先生:ICTを医サイコースで取り入れた理由はふたつあります。ひとつはWebにつながることで、最新の新しい情報や知識に触れられること。もうひとつはグループウェアです。専門性を高めたり、ディスカッションを頻繁に行ったりできるほか、時間と場所を飛び越えて情報共有できること。教師間の情報共有も大切で、生徒の状況などを把握できるようにしました。

◆常に学び続ける教師陣がサポート

--先生方の専門外に興味をもたれた生徒さんがいた場合、どのように対応してらっしゃいますか。

木村先生:まずは教師である私たちが、その分野について勉強します。それから学生と一緒になって学び、研究し始めます。論文や書籍を探し出して、共有もしますね。それから、専門分野の先生を招くことも考えますし、その先生に会う機会も作り出します。とにかく、生徒はもちろん、教師も自発的でありたいと考えています。

 医サイコースには、理系の数学や生物、物理、化学、英語など15人ほどいますが、どの先生も自分の専門が大好きなのは間違いないです。先生と生徒、みんな力を合わせてどんどん成長して行きます。自分が知らないことでも、生徒と一緒に論文を読んで、一から勉強して一緒に学んでいくスタンスです。

◆無限に広がる可能性に夢を膨らませて

--将来の夢はなんですか。

吉本さん:今は幅広いことに興味があります。ずっと研究している再生医療についても研究していきたい反面、飢餓を科学的に考えるなどの国際問題にもとても興味があります。全部をやることは不可能ですので、まずはもっとたくさん経験をして、いろいろな話を聞いて、これからたくさん経験していきたいと思います。

--ありがとうございました。

 2011年度に開設された「医進・サイエンスコース」は、2015年4月より中学1年生向けに新設された。現在、医サイコース在学生は高校1~3年生と、中学1年生の全4学年。コースに関する詳細や、説明会の予定などは広尾学園Webサイトで確認できる。
  1. «
  2. 1
  3. 2

《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集