【中学受験2016】四谷大塚に聞く、首都圏中学受験の最新動向
2016年の中学入試も、残すところあと1カ月となった。首都圏の中学受験の2016年の傾向から、特徴のある私学のポイント、さらに受験当日のアドバイスまで、創立61年の歴史と中学受験の実績をもつ四谷大塚情報本部の本部長代行の岩崎隆義氏に話を聞いた。
教育・受験
小学生
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--人気が上がっている学校の理由はなんでしょうか。
人気は偏差値だけでなく、試験回数も考慮してほしいと思います。未だに試験が1回のみの学校はみんなが憧れる、1度で受験者を集められる御三家や早慶などで、ある意味、試験回数と学校のブランドは比例すると思っています。
現在人気が集まっている学校の特徴のひとつとして、共学化があります。三田国際、法政大学第二、青山学院横浜英和などです。ただし、必ずしも共学化すれば受験生が集まるというわけではありません。キーワードは、「しっかり勉強の面倒を見てくれる」ということ。この学校に入れれば、学力をつけてくれるといった期待がもてる学校であるかということです。そのひとつが、英語などのグローバル対応です。もちろん、大学進学率という出口の要素も大きいです。一方で、広尾学園などは、進学率の実績もありますが、学校での6年間の過ごし方に期待される保護者がとても多いです。
中学受験をされるご家庭では、まずご自分である程度はリサーチされていると思います。その際、まずは大学への合格実績が最初のキーになります。ではその実績を出すために何をしているのか。その中身に興味をもたれるか。実は難関校ほど面倒見が良くない、逆に中堅校には面倒を見る傾向があります。難関校は生徒の自主性にまかせた自由な校風でアカデミックな授業を行うところが多いです。
また、私学では学校オリジナルの教科書を採用しているところもあり、その最たる例が豊島岡で、学校で制作し出版までしていて大変秀逸です。これこそが私学の力で、目に見えるものだけでなく見えない魅力も多々あります。それを知るためには、ぜひ学校に行ってみてください。中高の多感な6年を、どう育てるか。大学実績は当然の担保で、それに加えてどう「人間を育てる」かというところが大切です。
たとえば英語をはじめ、新しい取組みをいかにやっているか。文化学園大学杉並では、日本とカナダ両方の高卒資格を取得できるダブルディプロマ・プログラムを採用し、そのクラスではすべて英語で授業を行っています。そのほか国際バカロレア認定校として有名な学校には立教女学院などもあります。必ずしも受験者数が伸びているわけではないですが、こういった特徴も注目すべき要素だと思います。
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