子どもにスマホ…保護者4割「勉強に集中できなくなった」

 東京都は4月25日、携帯電話・スマートフォンを小中高生の子どもに持たせている都内の保護者を対象とした調査の概要を公表した。「子どもが勉強に集中できなくなった」と回答した中高生の保護者は4割を超えた。

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子どもが利用している携帯電話・スマートフォンのタイプ
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 東京都は4月25日、携帯電話・スマートフォンを小中高生の子どもに持たせている都内の保護者を対象とした調査の概要を公表した。「子どもが勉強に集中できなくなった」と回答した中高生の保護者は4割を超えた。

 調査は、東京都青少年・治安対策本部が平成27年11月19日~27日、子どもの携帯電話やスマートフォンの家庭での利用状況や意識を調べるため、小学生4~6年生と中学生および高校生の子どもに携帯電話などを持たせている都内在住の保護者1,500名を対象にインターネットで行った。

 小中高全体では、スマートフォンの所有が56.4%と半数以上を占める。児童・生徒別に見ると、小学生の携帯所有率は83.6%。スマートフォンの所有率は小学生で16.0%、中学生で63.6%、高校生で89.6%と、学年が上がるにつれ割合が大きくなっている。スマートフォンを持たせた時期でもっとも多いのは「中学1年生」25.9%で、「高校1年生」が23.4%と続いた。

 携帯電話を持たせた理由としてもっとも多い回答は「子どもといつでも連絡が取れるようにするため」87.9%、ついで「子どもの所在地がわかるようにするため」48.6%があげられた。年齢とともに所有率が高くなるスマートフォンを持たせた理由では、「子どもの所在地がわかるようにするため」31.7%と並んで、「子どもにせがまれたため仕方なく持たせた」31.5%とする回答が多くなっている。

 携帯電話・スマートフォンの1日の使用時間では、小学生の90.2%は1時間未満だが、中学生では39.8%、高校生では53.6%が1時間以上の利用していると回答した。高校生では「利用時間がわからない」とする回答も23.0%あった。

 中学生44.8%、高校生43.8%の保護者が、子どもが携帯電話・スマートフォンにのめり込んだために勉強に集中できなかったり、睡眠不足になったりしたことがあると回答している。

 「携帯電話・スマートフォンの利用について家庭内でルールを作っていない」は、小学生で40.0%、中学生30.6%、高校生では50.4%だった。また、「フィルタリングサービスへ加入していない」は小学生21.6%、中学生36.2%、高校生47.4%と年齢が上がるにしたがって未加入が増加した。

 ルールを作っていない理由については、「ルールを作らなくても子どもが適正な利用をしているから」60.3%、フィルタリングサービスに加入していない理由については、「インターネットの使い方について子どもを信用しているから」52.9%が、それぞれもっとも多く回答された。

《勝田綾》

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