人としての「可能性」を広げる場所、経験は一生の財産…立教英国学院OB・柴田桂典さん

 日本初の私立在外教育施設として、英国ウェストサセックス州に設立された立教英国学院。人格形成にも大きな影響を与える多感な思春期を、立教英国学院でどのように過ごしたのか。卒業生の一人、柴田桂典さんに話を聞いた。

教育・受験 高校生
PR
立教英国学院卒業生の柴田桂典さん(現・早稲田大学国際教養学部在籍)
立教英国学院卒業生の柴田桂典さん(現・早稲田大学国際教養学部在籍) 全 7 枚 拡大写真
 日本初の私立在外教育施設として、英国ウェストサセックス州に設立された立教英国学院。40年以上もの伝統に裏付けられた同校のミッションは「英国の地で、寮生活を通じて、他者を思いやり共に生きることを学び、真に国際社会に通用する人間を育成する」(棟近稔校長)である。

 人格形成にも大きな影響を与える多感な思春期を、立教英国学院でどのように過ごしたのか。卒業生の一人で、現在は早稲田大学国際教養学部に在籍する柴田桂典さんに話を聞いた。

◆決め手は「大家族」 そばにいる仲間との思い出

--立教英国学院を選んだ理由を教えてください。

 私は高校生活3年間を立教英国学院で過ごしましたが、入学を決めた大きな要因となったのは、「大家族」という理念に強く惹かれたことです。

 立教英国学院においては、年齢、学年関係なく、すべての生徒と教員が共に時間を過ごします。それぞれの働きにより前進していく、まるで家族のような大きな共同体です。大家族の中で共に時間を過ごした仲間は、自分にとって今でもかけがえのない存在です。また卒業して振り返ってみても、自分をこのような集団に置けたことは一生の財産となるような経験であったと確信しています。

--立教英国学院での生活はどのようなものでしたか。

 今思い出しても思わず笑顔になってしまうような、そんな思い出に溢れています。もちろん、良い思い出しかないとは言い切れないかもしれません。大きな共同体で過ごす中で、いろいろな葛藤や悩み、不満が生まれたこともありました。

 しかし、立教英国学院にいると、人との関わりは嫌でもあとを追ってきます。今何を感じているかやどんな悩みを抱えているかに関係なく、そこには大家族内の仲間である同期、先輩後輩、先生方の存在があり、彼らはいつでも私を励まし、助けてくれました。

 朝昼晩の食事の席は100人以上の教員生徒たちが一斉に席に着きます。尊敬できる先輩の背中に励まされ、かわいい後輩に笑わされ、信頼できる先生方に悩みを打ち明けられる、立教英国学院は誰もがそのように感じることができる場所でした。

◆立教英国学院で広げた可能性が機動力、将来は貧困問題の解決へ

--素晴らしい学校生活を送られたのですね。立教英国学院での生活で得たものの中で、進路選択に生かされた能力はどのようなものがありますか。

 立教英国学院は人としての「可能性」を広げられる場所です。その可能性の姿はさまざまですが、立教英国学院で過ごすうちに就きたい職業に出会う者、プロによる指導を取り入れた音楽に自分の道を見つける者、現地の大学への挑戦を決める者、と多種多様です。

 私の場合は、イギリス人の先生に教わることができるハイレベルな英語教育の中で、「自分は英語が好きだ」と気付けたことや、授業の中でイギリス人のアフリカでの水支援ボランティアのプレゼンテーションを見て自分の学びたい学問に出会い、将来の道を見つけることができました。

 卒業後は、早稲田大学国際教養学部に進学しましたが、もし、高校3年間の立教英国学院生活がなかったら、まったく違った道に進んでいたと思います。

--具体的に、大学では何を学んでいますか。

 現在は、早稲田大学国際教養学部の「リベラルアーツ教育」を学んでいます。リベラルアーツ教育とは、専門教育のほかに、社会に出た際に必要な教養や一社会人として知っておくべき専門外の知識に重点を置いた教育です。幅広い知識を学ぶことによりひとつの物事をさまざまな視点から見られる、といった柔軟性のある人間の形成が目指されており、アメリカでも、ハーバード大学や名門アイビーリーグがこのリベラルアーツ教育を取り入れています。

 それと、私の学部ではこれら教養科目すべてを英語で学ぶ点も特徴のひとつです。夏までには、私は言語学をやる傍ら、東南アジアの歴史を学んでいましたし、授業の数は多種多様でとても面白いです。

--将来はどのような職業に就きたいですか。

 これから大学4年間のうちの1年は、再び立教英国学院がある地、サセックス州にあるサセックス大学で過ごすことが決まっています。サセックス大学では、国際開発学という学問を学ぶ予定です。国際開発学はアフリカなどの貧困地域が貧困を脱し、国として栄えていく道をどのように見つけるのか、という学問です。

 今はまだ具体的に将来が見えている訳ではありませんが、貧困地域がある限り国際開発学は必要な学問であり、職としても必要とされている仕事です。将来的にはNGO団体などに所属し、世界に貢献していきたいです。

--ありがとうございました。

 柴田さんが惹かれたように、立教英国学院はひとつの大きな家族のような空気に包まれている。ふんわりと守られているその場所で、生徒たちはお互いの違いを認め合い、高め合いながら、それぞれが選ぶ道に巣立っていく。繰り返しになるが、この大家族を支えているのは教員たちであり、彼らが生徒ひとりひとりの心に寄り添うからこそ、生徒たちは安心して自分の個性を受け入れ、自分と向き合うことができるのだ。

 立教英国学院という「人としての『可能性』を広げられる場所」は、どんな夢でも夢に終わることはない、前へ進む勇気と希望を与えてくれる。

【立教英国学院 入試情報】
■中学部1年
・B日程
出願期間:2017年1月27日~2月7日(必着)
入試日 :2017年2月12日
■高等部1年
・B日程
出願期間:2017年1月27日~2月7日(必着)
入試日 :2017年2月12日

 学期ごとに途中編入も受付けている。詳細は立教英国学院Webサイトで確認のこと。

《加藤紀子》

加藤紀子

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。現在はリセマムで編集長を務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集