花粉症の発症時期は95.4%が中学入学前、母親の知識乏しい実態

 ジェイアイエヌ(JINS)は、花粉の本格飛散シーズンの到来を前に「子どものアレルギーと花粉に関する実態調査」を実施。小・中学生でもっとも多いアレルギーは「花粉症」だが、対策を詳しく知る母親は3割以下にとどまることが明らかになった。

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子どものアレルギーと花粉に関する実態調査
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 ジェイアイエヌ(JINS)は、花粉の本格飛散シーズンの到来を前に「子どものアレルギーと花粉に関する実態調査」を実施。小・中学生でもっとも多いアレルギーは「花粉症」だが、対策を詳しく知る母親は3割以下にとどまることが明らかになった。

 2016年に厚生労働省がぜんそくや花粉症などのアレルギー疾患について、国や自治体が取り組むべき方向性を示す初の基本指針案を発表。自治体や教育機関での子どもに向けた支援もひとつの柱となっているが、実際の教育現場ではまだほとんど行われていないのが現状だという。そうした子どもたちを取り巻く現在のアレルギー環境や保護者の意識について、実態を調査するべくアンケートを実施。対象はアレルギー疾患を抱える小・中学生を持つ20~50代の母親で500人から回答を得た。

 喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、ペット・動物アレルギーといった症状カテゴリから、自身の子どもが持っているアレルギー症状を聞いたところ、小学生低学年(1~2年生)男子を除く全学年で「花粉症」がアレルギー症状のトップという結果に。全学年をあわせると花粉症を持っている子どもは52.6%にのぼり過半数の子どもが花粉に悩まされていることが明らかになった。

 花粉症の発症時期は、小学校入学前が全体の48.2%。中学校入学前が全体の95.4%となっており、早い段階からの発症が多い状況がわかった。

 子どもの花粉症に気付いたきっかけについて尋ねたところ、「親自身が花粉症だったので、症状が花粉症だと気付いた」という回答が50.6%と全学年を通じてもっとも多い結果に。「別の症状だと思って病院に行ったら花粉症だった」との回答も全体の25.7%にのぼり、花粉症という認識は無かったが実は花粉症だったという、いわば「隠れ花粉症」とも言える子どもが一定数いる実情が浮き彫りになった。親自身が花粉症でない場合子どもの症状にも気付きにくいようだ。

 花粉症への対策・対処方法の知識については、「詳しく知っている」が全体の26.9%という結果に。それ以外の回答では「基本的な対策を知っている程度」66.0%、「名前のみ聞いたことがあるがほとんど知らない。知っているが自信は無い」6.3%、「まったく知らない」0.7%と続いた。子どものアレルギー対策・対処方法の基本的な知識は広まりつつあるものの、まだまだ十分とは言えない現状がうかがえる結果となった。

 JINSでは、さらなる花粉やアレルギーへの理解促進に向け、アレルギー研究が盛んな千葉大学を活動拠点とする企業教育研究会と共同で「小中学生向けのアレルギー啓発授業」を実施予定。千葉県内の小・中学校を対象に2月中旬にかけて行っていくという。

《畑山望》

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