【中受~合格後の学習】英語の入学前準備はどこまで?海外Top大も視野に

 中学合格者の英語学習について、入学前の準備、さらに入学後の学習における注意点や英語学習のポイント、海外大学も含めた大学進学に向けた心構えを聞いた。

教育・受験 小学生
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大島一秀氏(左)と西川芳孝氏(右) (撮影:望月ふみ)
大島一秀氏(左)と西川芳孝氏(右) (撮影:望月ふみ) 全 3 枚 拡大写真
 2020年に予定されている大学入試改革。現在、中学2年生からが対象となり、2017年度の中学生は全学年がその影響を受けることになる。英語については「話す」「書く」「聞く」「読む」の4技能を重視した出題が検討されている。また、すでに大学入試における英語外部試験導入拡大の動きも始動している。

 入試を経て、中学へ進学する生徒は、受験教科(国算理社)の実力は進学先の基準に達成しているといえるが、一方で英語については生徒の経験やレベルが大きく異なる。そこで、入学後に英語でつまずくことを、心配されている保護者も多いのではないだろうか。

 中学合格者の英語学習について、入学前の準備、さらに入学後の学習における注意点や英語学習のポイント、海外大学も含めた大学進学に向けた心構えを、中高一貫校の中学生を対象にハイレベルな英語講座「Junior Master Class」を開講するお茶の水ゼミナール 代表取締役社長の大島一秀氏と、教務部の西川芳孝氏に聞いた。

◆大学入試改革で変わる求められる英語力

 大学入試改革の中で影響が大きいと考えられるのが「英語試験の4技能化」。保護者の時代の大学入試の英語試験は基本的に「読む」が中心だったが、その後、大学入試センター試験などが「聞く」技能を必要とし、これに「書く」「話す」が加わろうとしている。

 大島氏によると「新中1生が経験することになる大学入試は、この『読む』『聞く』に『書く』『話す』といった2技能が追加された4技能を課す試験となることが濃厚です。具体的には、各種の外部英語4技能検定試験のスコアを大学入試に活用していくといったことが考えられており、通常の学習に加えて、外部英語4技能検定試験の対策も必要となってきます。このような英語試験の4技能化をはじめとして、新中1生は『日本のグローバル化』に対応する力を身に付けないといけません。そのためにも、『色んなことにチャレンジする力』が求められてきます。学校の勉強を中心に学習を進め、学校行事や部活動、習い事やボランティア活動など、積極的な行動ができるように中学生活を送ることが大事になります。」という。

◆入学前にアルファベットは覚えておこう

 難関中学の授業は、進度が速いというイメージがあるが、「英語はゆっくりと授業を進める学校が多いため、あわてることはありません」と西川氏は語る。最初に基礎をしっかりと固めてから、その後の授業を進めたいと考える学校が多いようだ。

 そのため、入学までの準備として西川氏は「まずは、アルファベットを書けるようにしておくことですね。難関私立中に合格していても、bとdを書き違える子もいます。大文字・小文字でアルファベットを間違わずに書けるようにしておくといいでしょう」とアドバイスしてくれた。

 「桜蔭中も比較的ゆっくりした進度で、使用している教科書も標準的な検定教科書ですし、開成中でも最初からハイスピードな授業展開ではありません。先生の言うことや板書をしっかり書き取れる筆記能力があれば、大丈夫です。」(西川氏)。

 学校の英語の授業で、英語の筆記速度が遅いため、板書をノートに書き取るのが追いつかない子もいるようだ。もし心配であれば、大文字・小文字のアルファベットを書けるようにしておくことが、不安を解消する方法のひとつといえよう。

◆英語好きに、勝負は最初の4か月

 「よくある例として、月の名前、January、Februaryあたりで綴りの混乱が起きます。それと曜日のWednesdayはスペルが覚えにくいため、生徒がつまずくところです。多くの生徒が経験すると思います。月と曜日を確実に書けると、心の余裕がかなりできますよ」と、西川氏は具体例をあげてくれた。

 さらに、「例文などに、身近なスポーツが出てくることが多いです。あとは、動物の名前。スポーツと動物の綴りを覚えておくと、かなりのアドバンテージになると思います。最初につまずくと、英語が嫌いになるので、英語が好き、という状態にするには、それをやっておくといいでしょうね。」「英語は、ある程度できる子でも、最初の4か月は本当に苦労します。でも、そこを越えると安定し始め、難しいことも吸収できるようになります。最初の4か月をなんとか頑張り、そこさえあきらめずに辛抱しながら乗り越えれば、ぐんぐん伸びていきますよ。」と、西川氏は入学後の4か月間の重要性を語る。

◆使える英語を深い理解&速い進度で身に付ける

 お茶の水ゼミナールの、中高一貫の中学生のためのJunior Master Classの特徴は、大きく3つある。

 1つめは、ネイティブ+日本人の先生により、使える英語を目指していくということ。日本人講師が概念的なことを教え、ネイティブ講師からは実際に体で学んでいく、それが狙いだという。オールイングリッシュで授業を行ったほうが、英語力がつくのではないかという意見もあるが、大島氏は「年齢にともなって、知識や教養が増えるので、知識が不十分な中学生には、日本語でしっかりと理解させることが大事」と説明する。

 2つめは、授業のスピード。中学1年で文法を終わらせ、中学2年からはリーディング・ライティングを中心に展開すること。さらに、進度の速さや、語彙数を増やすことなどの英語の勉強から、できるだけ早く脱却し、見聞を広めたり、文章が書けたり、ということに注力していく。

 3つめの特徴は、身に付けられる語彙が非常に多いということ。中1で1,800、中2でまた1,800、それくらいの語数に取り組むため、かなりレベルの高い文章も読めるようになるのだという。「単語をしっかり覚え、語彙が豊富であれば、ワンワードでも通じます。適切な表現をできるだけたくさん覚えていくのが、英語に強くなる秘訣です。」と西川氏は解説する。

 これがJunior Master Classの「リミッター(限界)」を外し、限界を設けない教育メソッドだ。

 自宅での学習については、1日20~30分の復習をする仕組みで進める。学校の勉強を大事にしながら、自宅での学習にも取り組むことで、自然と力がついていくというプログラム。「学校の勉強をきちんとやってほしいというのは、私たちの方針でもあり、学校と塾の相乗効果で力をつけていただきたい」と、大島氏は語る。

◆中1の入塾テストでは英語力ではなく論理的な思考能力を問う

 Junior Master Classで学ぶには、特別な準備が必要なのだろうか。「英語の準備というよりは、論理的な思考能力、物事をきちんと考えるということを重視しています」と、大島氏。さらに、西川氏は「モチベーションが一番大きいと思いますね。英語が得意になりたい、という気持ちがあれば授業のスピードが速くても、しっかりついてこられますし、必ず得意になります」と、助言する。

 入塾するための選抜テストについて、西川氏は「中2からは、英語のテストになりますが、中1については日本語の文章を読み、それを要約するというものです。英語は中学に入ってから勉強して蓄積していくので、中1については論理的な思考について、実際に記述してもらって判断しています」と、語る。

◆国内トップ校&海外トップ校の併願

 お茶の水ゼミナールは、国内最難関大学のレベルを超えて海外トップ大に通用する英語力の素地作りを目的に、中高一貫校の中学生を対象にJunior Master Classを開講。高校生向けには、海外大併願コースやトップレベルクラスといった選択肢を準備している。中1生から英語を始め、見事に海外の大学への夢を実現した生徒もいるという。

 中学1年生向けには、下記の3コースが用意されている。

・Junior Master Class
 将来、全米Top School、東大をはじめとする国内最難関大を目指す新中学1年生で、これから英語を本格的に学習する生徒が対象。「東大にとどまらない可能性の素地をつくりたい」グローバル世代のための講座。

・Junior Master Class Prep
 将来、国内最難関大、または海外大進学を視野に入れている新中学1年生で、これから英語を本格的に学習する生徒が対象。受験英語のほか、アカデミックな英語力を養成できる。

・Junior Master Class Global
 将来、海外大、国内大を目指す新中学1年生で、2年程度の帰国子女の方や英検準2級~3級程度を取得しているなど、小学校低学年から英語に触れてきた生徒が対象。アカデミックな英語力を4技能バランスよく養成できる。

《編集部》

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