少子化対策も見据えた、静岡大学×日本MSのクラウド「反転授業」
国立大学法人静岡大学と日本マイクロソフトは3月8日、静岡大学静岡キャンパスで共同記者会見を開催。大学教育に関するデジタルトランスフォーメーションに関する両者の協力について覚書を締結し、説明を行った。
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
静岡大学 情報基盤センター センター長の井上春樹教授は、同大学におけるデジタルトランスフォーメーション推進を牽引していた人物だ。
「今回の取組みにおける新規性は、主に3つあります。第1に、『教員による動画』はもちろんのこと、PowerPointやWordでも、反転授業のコンテンツにすることができるので、まさに瞬時、授業が終わった瞬間にコンテンツを制作できます。しかも、低コストで、です。当大学がクラウドコンピューティングプラットフォーム『Azure』を使用するための費用は多少かかりますが、教員や学生は無料で使えますので、コストゼロといってもいいでしょう。
第2に、特別なソフトウェアやハードウェアなしに制作できるところも画期的。スマートフォンで撮影(録音を含む)したものでも十分、『反転授業』の動画になるので、特別な撮影・録音・編集機材などは不要です。
第3に、『Azure』を活用することで、静岡大学の全学生約1万人と全教員が使っても、サーバの容量は余裕。仮に、当大学が活用する『クラウド反転授業支援システム』に、国内の全大学は『反転授業』動画をアップしたとしても大丈夫なほどです。それでいて、年間使用料もそれほどかからないのですから、他大学の方々にもお勧めしたい、というのが正直なところです。」
静岡大学は2012年から研修を進め、今回の「クラウド反転授業支援システム」の運用に至った背景には「2018年問題」も関係している、と井上教授は言う。わが国では以前から少子化が問題視されてきたが、いよいよ2018年に国内の大学生総数が減少に転じると推測されている。「この問題に対処するには現状、2つしか方法がないと考えられています。それが、留学生と社会人学生のさらなる受け入れです。動画による『反転授業』なら、何度でも見られるので、日本語が苦手な留学生の学習にも役立ちますし、急な仕事が入って授業に参加できなかった社会人学生の助けにもなります。」(井上教授)
「留学生がより学びやすいよう、『反転授業』動画を自動翻訳する、といったことにも当社の技術が役立つはずです。また、当社の『Office 365 Education』や『OneNoteクラス ノートブック』といったサービスも2017年4月から、静岡大学の全学生約1万人と教員の皆さまは自由にご利用いただけます。デジタルトランスフォーメーションの推進のため、私たちも全力を尽くさせていただきますのでご期待ください」と語るのは、技術面を牽引する日本マイクロソフト パプリックセクター担当 織田浩義執行役員常務だ。
「反転授業」動画の制作がデモンストレーションされると、そのあまりの容易さに、見学者からは驚きの声が上がった。大学教育におけるデジタルトランスフォーメーション推進、「クラウド反転授業支援システム」への関心の高さや期待の大きさが感じられた。
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