日本の高校生、試験前に「まとめて勉強」するだけ…4か国を比較

 国立青少年教育振興機構(NIYE)は3月13日、日本・アメリカ・中国・韓国の4か国を比較した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」を公開した。日本の勉強の仕方は「試験前にまとめてするだけ」で、日本と中国は教科書の内容を覚える授業が多い。

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 国立青少年教育振興機構(NIYE)は3月13日、日本・アメリカ・中国・韓国の4か国を比較した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」を公開した。日本の勉強の仕方は「試験前にまとめてするだけ」で、日本と中国は教科書の内容を覚える授業が多い。

 「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」は、日本の高校生の学習意識やICT(情報通信技術)の活用、学校生活の実態および将来への展望を把握するため、国立青少年教育振興機構が2016年9月から11月にかけて行った調査。日本・アメリカ・中国・韓国の対象国内の学校に対し、集団質問紙法により勉強の態度や勉強時間と方法、得意なことや成績、体験学習や人生目標などについて聞いた。対象校はそれぞれ、日本18校、アメリカ16校、中国24校、韓国36校。いずれも対象は普通科高校の生徒。

 勉強が好きかを聞くと、日本・アメリカ・韓国は「とても好き」「まあ好き」と回答した者が3割強にとどまったのに対し、中国の高校生の約8割は「勉強が好き」と回答。日本の高校生は3か国に対し学校の宿題とそれ以外の勉強を「しない」と回答した者の割合が高く、塾などを含む学校以外の勉強で「3時間以上」勉強していると回答した割合が、中国・韓国と並び1割を超えた。

 勉強の仕方を聞くと、日本と韓国の高校生が「試験の前にまとめて勉強する」と回答した割合が与えられた項目中、最多の回答率となった。それぞれ、日本は69.3%、韓国は56.4%。アメリカも同様に69.0%と高かったが、「できるだけ暗記しようとする」80.5%、「教えられたとおりに勉強する」73.6%とする回答が試験前にまとめて勉強するとした回答を上回った。中国は「できるだけ自分で考えようとする」が最多の64.9%。また、「問題意識を持ち、聞いたり調べたりする」は52.7%と、過半数が該当すると回答した。なお、日本の高校生の回答のうち、割合がもっとも低かったのは「教わったことをほかの方法でもやってみる」で、7.5%だった。

 授業の進め方を見ると、日本の高校生は「教科書に従って、その内容を覚える授業」が「ほとんどそうだ」と答えた生徒が41.7%おり、アメリカ11.0%、韓国32.0%より多かった。同時に、中国は日本を上回り50.6%の生徒が「ほとんどそうだ」と回答している。また、日本は、教具の活用や生徒個人の調べ学習、生徒同士が話し合う授業が3か国に比べ少なかった。

 調査結果全文と、青少年教育研究センター長・千葉敬愛短期大学学長の明石要一氏による分析レポート「4か国高校生の勉強観と人生観を読み解く」は、国立青少年教育振興機構(NIYE)のWebサイトで閲覧できる。

《佐藤亜希》

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