文科省「道徳教育アーカイブ」を設置、授業映像や実践事例などを発信
文部科学省は5月31日、「特別の教科 道徳」の趣旨や理念の実現を図るため、「道徳教育アーカイブ」を設置した。「考え、議論する道徳」の授業づくりの参考となる映像資料などを提供し、学校の取組みを支援する。
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平成30年度から小学校、平成31年度から中学校で「特別の教科」化される道徳。「道徳教育アーカイブ」では、この教科化を見据えて、現在、全国の教育委員会で作成されている指導資料や郷土教材、各学校の実践例を収集・整理し、一元的にWebサイト上で発信する。今後の道徳教育の推進に役立ててもらうことを目的としている。
アーカイブでは、映像資料や指導上の工夫事例(指導案)、先生用資料(授業づくりのポイント)などを閲覧できる。映像資料は、小学校2・3・5・6年生と中学校2・3年生の授業を、それぞれ15~20分程度に編集。実際の授業の映像と授業者へのインタビューを通して、「考え、議論する道徳」の授業づくりの参考となるポイントを紹介している。
いじめ防止を扱う実践事例では、各都道府県で実際に行われている、いじめの防止に関わる具体的な問題場面を取り扱った取組事例を紹介。福島県における原子力発電所事故の避難者である児童生徒に対するいじめをテーマとした実践事例や、些細なことから仲間はずれにしてしまう中学生の動きに共感しながら、本当の友情とは何かを異学年間での交流授業を通して考える実践事例などがある。資料はPDF形式。
このほか、道徳に係る学習指導要領の一部改正の経緯や学習指導要領解説、私たちの道徳など、これまで文部科学省において作成されてきた道徳教育に関する資料もアーカイブに掲載されている。
なお、文部科学省では、アーカイブで紹介されている事例はいずれも工夫の一例であり、参考にしつつも、とらわれることなく、児童生徒の実態に応じて創意工夫を生かした授業づくりを進めるのが重要だとしている。
《黄金崎綾乃》
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