群馬大・東京学芸大、H22-27年度評価の一部で最低評価

 文部科学省は6月6日、国立大学法人の教育や業務運営などに関する第2期中期目標期間の評価結果を公表した。業務運営の改善・効率化において、13法人が最高評価を受けた一方で、群馬大と東京学芸大が「重大な改善事項がある」ともっとも低い評価を受けた。

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教育研究などの質の向上の状況の評価結果
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 文部科学省は6月6日、国立大学法人の教育や業務運営などに関する第2期中期目標期間の評価結果を公表した。業務運営の改善・効率化において、13法人が最高評価を受けた一方で、群馬大と東京学芸大が「重大な改善事項がある」ともっとも低い評価を受けた。

 国立大学法人などの中期目標期間評価は、国立大学法人・大学共同利用機関法人を対象に国立大学法人評価委員会が実施。毎年度の業務実績評価とは別に、中期目標期間(6年間)全体の業務運営の実績について、調査・分析し、各法人の中期目標の達成状況を評価するもの。対象期間は平成22年度~27年度、対象法人は国立大学が86法人、大学共同利用機関が4法人。

◆教育研究等の質の向上の状況

 「教育研究等の質の向上の状況」の達成状況では、「教育に関する目標」「研究に関する目標」「その他(社会貢献・国際化など)に関する目標」「共同利用・共同研究に関する目標」の4項目を、非常に優れている・良好・おおむね良好・不十分・重大な改善事項があるの5段階で評価。評定は「おおむね良好」が標準となっている。

 もっとも高い評価である「非常に優れている」を受けたのは、「研究に関する目標」では東京外国語大、東京工業大、大阪大、九州大、奈良先端科学技術大学院の5法人。東京外国語大は、計1,130件の国際シンポジウムなどの研究集会を開催していること、言語文化基礎資料などの情報資源化を行ったことなどが、優れた点として評価された。「その他(社会貢献・国際化など)に関する目標」では東京芸術大の1法人が選ばれた。「教育に関する目標」は該当なし。

 「重大な改善事項がある」と評価された法人はなかったが、北海道教育大や茨城大など12法人は、FD(ファカルティディベロプメント)事業の推進やレフェリー制の導入が不十分だとして、法人自らが設定した計画が達成されていない点が指摘されている。

◆業務運営・財務状況等の状況

 「業務運営・財務状況等の状況」の達成状況は、「業務運営の改善及び効率化に関する目標」「財務内容の改善に関する目標」「自己点検・評価及びその情報提供に関する情報」「その他業務運営に関する重要目標(法令遵守、施設整備等)」について5段階で評価。評定は「良好」が標準。

 「業務運営の改善及び効率化」に関して、帯広畜産大や東京医科歯科大など13法人が「非常に優れている」と評価された。ただし、患者が死亡する医療事故が複数発生したことで、医療安全管理体制の重大な欠陥を指摘された群馬大と、附属高等学校におけるいじめ重大事態において適切な対応がとれずガバナンスの欠如を指摘された東京学芸大は、「重大な改善事項がある」ともっとも低い評価を受けた。

 「財務内容の改善」では、研究体制の強化による外部資金獲得を行った山形大、クラウドファンディングを活用して壁が復元プロジェクトを成功させた東京芸術大など6法人が「非常に優れている」と評価された。

 そのほか、北海道教育大、東北大、愛知教育大など17法人は、第2期中期目標期間中の複数年度において、課程別の学生充足率が未充足だった。そのため、改善すべき点として指摘されている。

 文部科学省Webサイトでは、評価結果の概要や各法人の評価結果などを公開。各項目の評価や判断理由、優れた点などを閲覧できる。なお、改善すべき点を指摘された各法人については、現在は改善に向けた取組みなどを適切に実施していることが確認されているという。

《黄金崎綾乃》

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