せっかくレシピまで見て作ってみるのだから、あっと驚く「玄人はだし」のような出来栄えのものを料理してみたいのではないかと思います。レシピは世の中に何百万もあって、今回取り上げる、ちょっと夏らしく、いまやハワイアンとして名が通ってきましたが、「エビチリ」ほどには有名でもない「ガーリックシュリンプ」でさえ、ネットを探せば500種類をゆうに超えるほどのレシピがあります。その中からどれを選びどう作るべきか。
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ガーリックシュリンプの材料(※ボウルの中のエビはガーリックシュリンプ用とエビチリ用2種入っています)
このお料理コラムは、ちょっとした工夫で簡単に美味しくなる調理方法があるんですという、簡単・お手軽レシピの面を縦糸に、プロ仕様の本格派のプロセス指南を横糸に、技やポイントを織り込んだレシピをご紹介します。
そして、同じ食材とちょっとした手間でもうひとつ、次の日のお弁当のアレンジもご提案。本格派と効率性の両方を追求し「一挙両得」欲張りな企画です。スタミナ不足のときに食が進むハワイ料理の人気のメニュー「ガーリックシュリンプ」を夕食に、明日のお弁当には中華の人気メニュー「エビチリ」を。レシピと作り方をご紹介します。
まずは材料(3~4人分)から。
◆材料:ガーリックシュリンプ
・エビ(ブラックタイガー) 16尾
・ニンニク 大1カケ
・オリーブ油 100cc
・塩・胡椒 適宜
・パプリカ(赤) 半個
・パセリ 小1束
・マカデミアナッツ 20g
・付け合わせ野菜(写真はサラダルッコラを使用)
◆材料:アイオリソース
・マヨネーズ 100g
・ニンニク 小1カケ(ガーリックシュリンプで使用するニンニクのあまり程度でもOK)
・ねり辛子 小さじ半分
・牛乳(生クリーム) 20g程度
意外な材料があるとお気づきでしょうか。
そう、マカデミアナッツです。
ハワイアンの雰囲気をより強く出したい、というのがマカデミアナッツを使う理由のひとつですが、もうひとつ理由があります。エビのお料理の課題はエビがつるんとしてソースがからんでくれないことです。ソースがチリやエビマヨのマヨネーズのようにこってりしてるといいのですが、オイルベースだといまいちエビにくっついて来ない感じがします。これを解決するのがナッツです。くるみでも松の実でもよいのですが、主張の強くないマカデミアナッツがおすすめです。
それからアイオリソース。ブイヤベースなどの魚介料理に溶かし入れるとコクが出ますね。ガーリックシュリンプはインパクトはあるのですが、なんとなく単調になりがち。何尾も食べて少し飽きてきたかな…というころ、お皿に添えられたアイオリソースをつけて食べると、まろやかな味も楽しめますね。付け合わせの野菜とも相性ぴったりです。
◆作り方:「ガーリックシュリンプのアイオリソース添え」
1)エビの下処理をします。殻付きの場合は尻尾の殻を残してぜんぶむき、背わたを爪楊枝などでとっていきます。
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エビの尾はハサミで斜めに切るとピンとして見栄えがよくなります
★プロ仕様ポイント:エビの尻尾を写真のように鋭く尖らせると、最後の見た目が断然ちがってきます。ハサミで斜めに切ってください。ナイフより簡単です。
(※明日のお弁当用の「エビチリ」のエビも一緒に準備しておきます)
2)下処理をしたエビを水で洗い、キッチンペーペーなどで水気を拭き取ります。
3)赤パプリカを小さく四角に切ります。
4)オリーブオイルにすりおろしたニンニク、赤パプリカ、塩、胡椒を入れて、そこにエビを入れて混ぜ合わせ、30分くらい漬け込みます。
5)エビを漬け込んでいる間に、アイオリソースを作ります。マヨネーズにすりおろしたニンニクとねり辛子を混ぜ、牛乳か生クリームで溶きのばします。
6)マカデミアナッツをすり鉢でつぶしたあとにすります。ぜんぶすり潰さない程度がよいです。少しだけシャクっと食感が残るくらい。
7)パセリをみじん切りにします。
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パセリはキッチンペーパーなどで丹念に水気をとりながら、みじん切りにしていきます
★プロ仕様ポイント:パセリは市販の乾燥させたものでもいいのですが、生のパセリをみじん切りにするとお料理が見違えます。1束分作ればけっこうな量ができ、パックに入れて冷蔵しておけば1週間くらいもちますので、さまざまな西洋料理に使えます。ちょっと根気がいりますがぜひやってみてください。
8)マカデミアナッツをフライパンで炒ります。オイルは使わず、中火で焦がさないように。
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マカデミアナッツは粒を残して食感を
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マカデミアナッツは最初にオイルなしで炒めます
9)ナッツの香ばしい香りがしてきたら火を強め、オリーブオイルごとエビを投入します。刻んだパセリをひとつかみだけ入れて、エビに火が通るまで炒めます。
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炒めたマカデミアナッツに、調味料に漬け込んだ海老を一気に投入
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美味しい色になってきた「ガーリックシュリンプ」
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※エビチリ用のエビは食べずに取って置いてください
10)お皿にサラダルッコラを葉っぱが同じ方向になるようにあしらい、ガーリックシュリンプを盛り付けます。高くなるように盛り付けると恰好がつきます。そしてその横にぽてっとアイオリソースを落とし、最後にパセリを真ん中にふったら出来上がり。
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「ガーリックシュリンプのアイオリソース添え」完成
炒ったナッツがニンニクオイルを吸ってエビにからみつき、味を演出することと思います。
◆一挙両得!明日のお弁当1品をささっと同時進行「エビチリ」
使ったフライパンは洗わずそのままで、エビチリソースを作り、エビと炒り卵を加えれば、お弁当のおかずにアレンジできます。
◆材料:エビチリ(1人分)
・エビ(中くらいの冷凍エビを6尾 ※量とサイズはお好みで)
・豆板醤(あるいは食べるラー油)小さじ1
・紹興酒(なければ日本酒)50cc
・お酢25cc
・ケチャップ25cc
・三温糖かハチミツを小さじ1
・炒り卵(卵1個)
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「エビチリ」用の調味料
◆作り方:「エビチリ(お弁当用1人分)」
1)殻も尾もない冷凍の比較的安価なエビを用意しておき「ガーリックシュリンプ」エビを同時に炒めておきます。(炒め終わったら取り出しておいてください)
2)ガーリックシュリンプを取り出したあとの、ニンニクやマカデミアナッツが残っているフライパンに、豆板醤、紹興酒(なければ日本酒)、お酢25cc、ケチャップ25cc、三温糖かハチミツを入れて、アルコールがとぶまで煮立たせて、水溶き片栗粉でとろみを出します。
3)2)のエビチリソースにあらかじめ炒めてあるエビを入れ、あまり細かくしない「炒り卵」(炒り卵は別のフライパンでさっと調理)をさっくり混ぜ合わせて出来上がり。
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熱したエビチリソースに残しておいたエビを入れ、最後に炒り卵をさっくり炒めて完成
明日のお弁当は「エビチリ」をメインに、ブロッコリーやポテトなどの温野菜とサラダで整うと思います。どうしてもお肉類がないと気のすまないお子さまは(笑)、ウインナーのボイルなどを入れてあげればよいでしょう(ブロッコリーのお湯で茹でてしまえば早いですね)。翌日のお弁当に入れる前に再加熱をお忘れなく。
◆最後にもうひとつ三得情報…「エビ選び」のポイント
エビは何にしたらいいの?…と迷われる方もいらっしゃるかもしれませんが、スーパーで見かけるもので大丈夫です。ブラックタイガーかバナメイエビがおすすめです。大きすぎず小さすぎないくらいの食べやすいもの。地域によって値段はちがうかもしれませんが、15~18尾入って980円くらいのエビが適当です。
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フードクリエイター&マーケティングコンサルタント。白金のカフェ&ダイニングバー「blanc noir」、みなとみらい「Audi Cafe by blanc noir」をプロデュース。現在、新橋「炭火焼肉有田牛」料理長、茅ヶ崎駅ビル「アロハストリートカフェ」のフードコーディネーターなどを務めている。元々はマーケティング業界に籍を置いていた転身派で、それぞれのお店に最適なレシピを開発することをミッションとしている。著書に「大人のマーケティング」(近代映画社)がある。