【高校受験2018】目指せ都立進学指導重点校…SAPIX中学部に聞く合格の秘訣

 SAPIX(サピックス)中学部教育情報センター部長の高橋淳氏に、2018年度の都立高校入試に向けた、自校作成問題への対策や、夏休みからの学習について聞いた。

教育・受験 中学生
PR
SAPIX中学部教育情報センター部長の高橋淳氏
SAPIX中学部教育情報センター部長の高橋淳氏 全 3 枚 拡大写真
 東京都立の難関高校である進学指導重点校(日比谷高校、西高校、戸山高校、青山高校、国立高校、八王子東高校、立川高校)では、英数国の入試問題を、現在のグループ作成問題から平成30年度(2018年度)入試より自校作成問題に変更する。かつて自校作成問題を導入していた2013年から、5年ぶりの自校作成問題復活となる。

 難関大学への高い合格実績などから人気の高い都立進学指導重点校。今回はSAPIX(サピックス)中学部教育情報センター部長の高橋淳氏に、2018年度の都立高校入試に向けた、自校作成問題への対策や、夏休みからの学習について聞いた。

◆2018年度、都立進学指導重点校の入試が変わる

--2018年から都立高校の進学指導重点校がグループ作成問題から自校作成問題へ変更になりますが、この変更の狙いはどこにあるのでしょうか。

 そもそも都立高校の進学指導重点校では、2001年の日比谷高校を皮切りに2013年までは自校作成問題を導入していました。それを2014年にはグループ作成問題に変更し、来年から再び自校作成問題に戻します

 自校作成問題へ変更する狙いとしては、各学校が求めている生徒層をしっかりと確保したいという意図があります。グループ作成問題を導入していた期間も一部問題の差し替えは認められており、実際に問題を差し替えている学校は多くありました。そして来年度からは、各学校の個性やメッセージをより明確に打ち出した入試を目指して、再び自校作成問題に変更となります。

--進学指導重点校を志望する生徒は、自校作成問題に向けてどのような対策をしていけばいいのでしょうか。

 進学指導重点校の中でも特に難関の日比谷高校、西高校、国立高校、戸山高校を受ける生徒は、過去に実施されていた自校作成問題に取り組むことをお勧めします。志望校だけでなく、この4校の過去の自校作成問題を解くことが、より2018年度入試に沿った対策となります。

 また、SAPIX刊行の「都立日比谷・西高校 入試予想問題集(リスニングCD付き)」という自校作成問題を分析した実践問題集があり、こちらもお勧めです。日比谷高校・西高校を受験する生徒はもちろん、国立高校・戸山高校を受験する生徒もこの問題集で対策ができます。また、私立難関校の過去問に取り組むことも効果的でしょう。

 そして、この上位4校以外の進学指導重点校を受ける場合は、グループ作成問題の過去問に取り組むことをお勧めします。その理由は、上位4校以外の学校は、グループ作成問題から問題の傾向を大きく変更しないことが予想されるため、グループ作成問題の演習をすることで十分な対策ができるからです。

SAPIX中学部教育情報センター部長の高橋淳氏
インタビューに応える高橋淳氏

◆最難関に続く高校の人気にも注目

--都立人気校の動向について教えてください。

 進学指導重点校の人気は今年並で、志願者数の大きな変動はないのではないかと予想をしています。ただ、難度が低くなるということではなく、難関であることには変わりありません。

 このほかに注目しているのが、進学指導重点校に続く難関校の進学指導特別推進校(小山台高校、駒場高校、新宿高校、町田高校、国分寺高校、国際高校)の人気です。来年さらに人気が上がるのではないかと考えています。たとえば進学指導特別推進校の中でも人気の新宿高校は、進学指導重点校を目指して受験指導に力を入れていて、国公立大学への合格実績が上昇しています。また、進学指導特別推進校を選択する理由として、都立入試の日程が国立と私立の後のため、国立私立入試の結果を踏まえて、成績上位層が確実に合格を狙える学校として受験する傾向があることも背景にあります。

◆志望校はできるだけ早い時期に決めて、早めに勉強をスタートさせよう

--中学2年生以下の生徒にも向けて、志望校を決める時期や決め方のアドバイスをお願いします。

 志望校はできるだけ早い時期に決めることがお勧めです。その理由は、早い時期に志望校が決まった生徒は、目標に向けて早めに勉強を始めることができるからです。早いご家庭だと、小学生のうちからSAPIX中学部の高校受験コースに通っていいただいています。

 また、志望校を決める際にはSAPIXが難関進学校と大学附属校に分けて実施しているイベントをぜひ活用していただきたいです。SAPIXのイベントは、(1)学校、(2)生徒、(3)情報という3つの視点で企画されており、学校の先生が登壇するもの、SAPIXの卒業生が登壇するもの、SAPIXの講師が分析情報をお伝えするものなどがあります。学校を3つの側面から知ることができるため、志望校を考える際に役立つと思います。

 また、生徒には大学進学まで見据えた志望校選択をしてほしいため、卒業生登壇イベントでは、高校生や大学生に登壇をしてもらっています。中3生にはこのようなイベントを通してさまざまな学校を知ってもらい、夏までに志望校の候補をいくつかあげてもらいます。そして秋以降は、学校側が主催している説明会に各自で参加をしてもらい、志望校を絞っていくという流れになっています。

--過去問対策の時期とポイントを教えてください。

 夏休みのころから、入試問題の形式の演習を始められるといいでしょう。SAPIXでは、入試問題に沿った形式の演習授業が夏期講習から始まるため、夏期講習を利用して実力をつけていっていただきたいですね。都立高校受験では、上位4校を除いて、学校ごとの傾向の違いは比較的少なくなっています。そのため、学校ごとの傾向に沿った対策をするというよりは、まずは夏休み中にどのような問題にも対応できる実力をつけていくことを意識してください。

 また、SAPIXでは、中学3年生の9月からSS特訓(サンデーサピックス)という志望校別クラスを開講します。この授業を受ければ十分な志望校対策ができます。そして、各自が時間内に解くことを意識した過去問演習を始めるのは、11月以降で十分でしょう。

◆今後の学習で重要なことは「自分の現状を正確に把握してから学習を進めること」

--入試までの残りの期間で、成績を上げる秘訣を教えてください。

 まず自分の現状を正確に把握することがとても大切です。自分の苦手な科目や苦手分野をしっかりと把握しましょう。現状把握のためには、SAPIX主催の公開模試「サピックスオープン」がお勧めです。「サピックスオープン」は過去の精度が高いデータをもとに志望校判定を行うため、今の自分の実力と課題を客観的な数値で把握することができます。また、SAPIX中学部では、各クラス15名程度の少人数なので、授業内で生徒の学習状況を把握し、個別にアドバイスも行っています。

◆夏休みの学習の秘訣は「学習量をこなすこと」と「毎日の学習計画」

--夏休みにやるべきことを教えてください。

 夏休みはまとまった時間を確保できる唯一の機会です。そこで、まずは学習量をこなすということを意識してください。夏休みにある程度の学習量に取り組んだ生徒は、「これくらい勉強をしたから大丈夫」という自信を持てます。本番前に緊張をする生徒も多いですが、夏休みにしっかりと勉強できたという自信があると、平常心で本番に臨むことができます

 特に苦手科目には積極的に取り組みましょう。苦手科目は後回しにされがちですが、時間のある夏休みだからこそ集中的に取り組むことができます。また、理科・社会は覚えなければならない知識量が多い科目なので、夏休みにまとまった勉強時間を確保して取り組むこともお勧めです。

--逆に、夏休みの過ごし方の失敗談などはありますか。

 十分な勉強時間を取れないことだと思います。夏休みは、いかに勉強時間を確保して、毎日のマネジメントをしっかりと行うかが重要です。ただ近年、家で集中できないという生徒が増えてきています。SAPIXでは授業以外の時間で自習できる環境も整っているため、教室に来て自習をしている生徒もいます。このような集中できる学習環境を整えることも重要だと思います。

--お勧めの学習法などはありますか。

 毎日何を勉強するのかを決めることが重要です。たとえば、英語の助動詞が苦手だから今日は問題集の2ページ分を解くなど、毎日の分量を決めましょう。時間で区切るやり方もありますが、1時間勉強をしたからといって満足をしても、実は理解が伴っていないという場合もあります。そのため、確実に量をこなせる分量で区切ることがお勧めです。

SAPIX中学部教育情報センター部長の高橋淳氏
インタビューに応える高橋淳氏

◆SAPIXの夏期講習の活用方法

--夏期講習を受ける意義を教えてください。

 どの勉強をどれくらいまでやればいいのか、自分の弱点がどこにあるのかということを、自分だけで把握することは困難です。また、入試まで残されている時間が限られているので、短い期間で適切な学習を進めるためにも、受験指導のプロの先生に任せることをお勧めします。

--夏期講習から参加しても大丈夫でしょうか。

 もちろん夏期講習からも参加していただけます。これまでも、夏休み前までは部活動で忙しくて勉強時間を十分に確保できなかったという生徒が、夏期講習から受講して結果を残している例があります。そのような生徒は、これからの勉強の進め方が勝負だと思います。時間の少ない中でも適切な学習の進め方をすれば、十分に志望校は狙えます。

 また、夏期講習から始める生徒が参加しやすいように、特に未習・既習の差がつきやすい数学で、中学3年生を対象に数学キャッチアップ授業を開講します。この授業では、単元の基礎を学習しますので、未習部分があっても夏期講習を受講できます。ほかにも、途中から入会した方に取り組んでほしい内容を個別にフォローする体制も整っています。そのため、夏期講習からでも安心して参加することができます。夏休みの過ごし方が受験勉強の鍵を握っているので、スタートが遅かったからという理由で諦めないでほしいと思います。

--ありがとうございました。

 SAPIX中学部では、小学6年生から中学3年生までを対象に2017年7月27日(木)より夏期講習を開講する。授業では、これまで学習した内容の復習から応用までを取り組むため、夏期講習からの通塾も可能だ。時間割や受講料などの詳細は、SAPIX中学部のWebサイトで確認できる。

 また、2017年9月からは中学3年生を対象に、志望校別のクラス編成のSS特訓を毎週日曜日に開講する。SS特訓の、志望校別の問題が単元別に構成されているSAPIXオリジナル教材は、これまでの学習の復習に役立つ教材として評判だ。

2017年 高校受験夏期講習
対象:小学6年生、中学1~3年生
開講:2017年7月27日(木)
入室テスト:7月8日(土)、7月17日(月・祝)

2017年度 公開模試スケジュール
7月2日(日):第2回 サピックスオープン(中3)
9月17日(日):第3回 サピックスオープン(中1~3)
11月19日(日):第4回 サピックスオープン(中3)/サピックスチャレンジテスト(中1~2)
12月03日(日):都立日比谷・西高入試プレ(中3)/都立進学指導重点校入試プレ(中2)
※このほか、国立・私立高対象の学校別入試プレも実施される。

《佐田優佳》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集