東京23区、大学の新増設の抑制に反対…政府に要望書提出

 東京23区長が組織する特別区長会は8月29日、東京23区内にある大学の定員増を2018年度以降は認めないとする改正案について反対を表明し、要望書を政府に提出した。東京という地域をキャンパスとした教育・研究活動が重要であると主張した。

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 東京23区長が組織する特別区長会は8月29日、東京23区内にある大学の定員増を2018年度以降は認めないとする改正案について反対を表明し、要望書を政府に提出した。東京という地域をキャンパスとした教育・研究活動が重要であると主張した。

 特別区は、東京と地方が互いの強みを生かし、足りないところを補完し合って、WIN-WINの関係を築いていくため、「特別区全国連携プロジェクト」を展開し、地方との連携事業に積極的に取り組んでいる。

 このたび閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」では、東京一極集中是正の方策の1つとして「東京の大学の新増設の抑制、地方移転」が打ち出され、2018年度以降は東京23区内にある大学の定員増を認めないとする大学設置に関する告示の改正案が公表された。

 これに対して特別区長会は反対を表明し、松本文明内閣府副大臣と宮川典子文部科学大臣政務官に要望書を提出した。特定地域への大学の立地や構成を制限することは、若年層の進路選択の機会を狭め、交流を通じた多様化の機会を奪うものであると主張。大学の自主性を尊重し、東京23区においても新たな大学・学部などの新増設を認めることを求めた

 特に、少子高齢社会を見据えた医療・介護や、待機児童の解消などに必要な専門分野の人材育成、国際化に対応した観光振興、商店街の活性化・産業振興、防災まちづくりなどにおいて、地域をキャンパスとした教育・研究活動を通じて協力が期待される大学・学部などの新増設については、抑制しないことを要望した。

 また、大学の立地を前提とした自治体のまちづくり施策として、現時点ですでに計画されており、大学と調整している案件については、特に配慮することとした。

《工藤めぐみ》

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