国民生活基礎調査は、保健・医療・福祉・年金・所得などの国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画、運営に必要な基礎資料を得ることを目的に、1986年(昭和61年)から行っている調査。大規模な調査は3年ごとに、その間の各年は簡易的な調査を実施している。今回発表された「平成29年国民生活基礎調査」は簡易な調査の実施年に当たる。世帯票は約4万6千世帯、所得票は約7千世帯を集計した。
児童のいる世帯は1,173万4千世帯で、全世帯の23.3%を占める。児童がいる世帯のうち、児童数は「1人」が44.3%、「2人」が42.1%、「3人以上」が13.6%。調査初年度の1986年を見ると、「1人」35.2%、「2人」48.3%、「3人以上」16.6%と、「2人」の割合がもっとも高かった。
18歳未満の子どものいる世帯における末子の母の仕事状況を見ると、「仕事あり」と答えたのは70.8%、「仕事なし」と答えたのは29.2%だった。「仕事あり」のうち、正規の職員・従業員は24.7%で、非正規は37.0%。
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末子の母の仕事の状況の年次推移
「仕事あり」と答えた母の割合は上昇傾向にあり、2004年に同項目が調査に加わって以来はじめて7割を超え、これまで最高だった2015年の68.1%より2.7ポイント上昇している。
各種世帯の所得などの状況を見ると、1世帯あたりの平均所得金額は560万2千円。高齢者世帯は318万6千円、児童のいる世帯は739万8千円だった。いずれも「平成28年(2016年)国民生活基礎調査」時より増加しており、特に児童のいる世帯では約32万円増加していることがわかった。なお、「平成29年調査(2017年調査)」における所得とは、調査前年にあたる2016年1月1日から12月31日までの1年間の所得を示す。