ここでは、飲料中の糖分にどれだけ違いがあるのか、「イースト菌」で調べる方法をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。
自由研究:中学生向け 小学生向け
イースト菌で飲み物の糖分を調べよう
テーマ【消化と吸収(6年生)】 実験
対象学年:3~6年生 むずかしさ:★★ 所要時間:1時間
「ゼロカロリー」や「カロリーオフ」と表示している飲料が増えているけれど、糖分にどれくらいちがいがあるのかイースト菌を使って調べよう。
用意するもの
ドライイースト 糖分を調べたい飲み物 お湯 ジップつきポリ袋(名刺くらいの大きさで、飲み物と同じ数) 温度計 計量スプーン はかり 湯せん用の容器 ストップウォッチか時計 ペン
実験のやりかた

まず、調べたい飲み物の味見をする。

ポリ袋にドライイーストを1gと調べたい飲み物を10mLずつ入れ、飲み物の名前を書いておく。

空気をしっかりとぬき、ポリ袋のチャックをしめる。

ポリ袋がやぶれないように気をつけて指でもみ、全体をよく混ぜる。全部の袋の中身を同じように混ぜる。


糖分があるものを入れた袋は、2分くらいたつと泡が出はじめ、約15分後にパンパンにふくらむので、はれつしそうになったらポリ袋の口をあける。

袋を取り出して、それぞれの袋のふくらみぐあいをさわってくらべよう。

ためしてみよう!
チャレンジ
飲料には、スポーツ系飲料、紅茶、ジュースなど、いろいろな種類があるよ。「糖類ゼロ」「甘さひかえめ」「カロリーオフ」「カロリーハーフ」「低カロリー」などの表示を「強調表示」といい、砂糖などの量が決められた値以下になっているんだ。たとえば、ゼロカロリーは飲料100mLあたり糖類0.5g未満、カロリーオフは2.5gグラム以下だよ。「原材料名」や「栄養成分表示」と「強調表示」をくらべながら実験するとおもしろいよ。どんなことを調べたいか考えて選んで実験してみよう。
実験でサイエンス
イースト菌は、砂糖の主成分であるショ糖を食べて自分のエネルギーにし、アルコールと二酸化炭素を出します。このことをアルコール発酵といいます。実験後に袋の中のにおいをかぐと、お酒のにおいがします。
低カロリー甘味料は、砂糖と構造がちがうので、イースト菌は食べることができません。そのため、甘い飲み物でもふくらまないことがあります。
発表のためのまとめ
結果を表にまとめると、わかりやすいね。

発行:永岡書店
<著者プロフィール:NPO法人 ガリレオ工房>
教師を中心にジャーナリスト、研究者、学生などで構成する科学実験の研究・開発グループ。そのユニークで独創的なアイデアや方法は、各界で高い評価を受けている。雑誌・新聞などでの発表のほか、テレビの科学番組にも企画協力している。また、全国各地での実験教室やサイエンスショーも手がけている。2002年に吉川英治文化賞受賞。同年NPO法人として認可される。