ここでは、家庭でもできる「葉っぱプリント」のやり方をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。
葉っぱプリントで、植物と光の関係を調べよう~文字やイラストを葉にプリントしよう~
第2分野【生物】実験
制作時間:1~2日 難易度:★★★
日当たりが悪いと、植物の葉の色も悪くなります。では、光は植物にとってどんなはたらきをするのでしょうか?光は植物にとってどういう役割があるのかを調べてみましょう。
用意するもの
バラの葉(アサガオやヘチマの葉でもよい) 透明フィルム 油性ペン エタノール*(消毒用) ヨウ素入りのうがい薬 スポイト セロハンテープ
そのほかのもの ボウル(鍋なべに入る大きさのもの)、バット、鍋、ティッシュペーパー、黒い紙、ガスコンロ、水
*ホームセンターや通信販売で手に入ります。
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実験1 やってみよう 日光で葉にプリントする
★手順 全8工程
実験では、植物の葉を写真の印画紙代わりにします。天気のよい日を選んで、草花の葉に文字やイラストをプリントしてみましょう。
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透明フィルムに、油性ペンで文字を書いたり、イラストを描いたりする。
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夜のうちに、葉に透明フィルムをはりつけ、黒い紙を上に重ねる。
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翌朝、葉の黒い紙をとって、2時間以上、日光に当てる(フィルムはそのまま)。
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フィルムをはったまま葉をつみ、フィルムをはがしてから沸騰した湯の入った鍋で5分くらい煮る。
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小さなボウルにエタノールを6分目ぐらいまで入れ、4で煮た葉をひたす。
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4の鍋のお湯に5のボウルを入れ、葉が白くなるまで待つ(約30分かかる)。
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白くなった葉をバットに移す。薄めたうがい薬をスポイトを使って2~3滴たらす。
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取り出した葉の水分をティッシュで吸いとり、おもしをおいて表面を乾かす。イラストが浮かび出てくる。
なぜそうなるの? ~植物のしくみ~
葉で受けた日光を使い、栄養を作っている
植物の葉には、光と二酸化炭素からデンプンを作る葉緑体が無数に存在します。この光を利用して、デンプンを作るはたらきを「光合成」といいます。
実験で黒い紙でおおうのは、葉の中にデンプンがない状態を作り出すためです。
デンプンは、ヨウ素液につけると青紫色に変わります。そのため、黒い紙をはりつけた部分は色がつきません。その性質を利用して、印画紙の代わりにするのです。
レポートのまとめかた
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葉に日光を当てる時間帯を、朝、昼、夕方と変えて実験してみましょう。そして、浮かび上がった文字やイラストのちがいをまとめましょう。
日光以外の光(電灯や蛍光灯の明かりなどの人工の光)では、文字やイラストの出かたがどうちがうのか実験し、調べてまとめましょう。
発行:永岡書店
<著者プロフィール:野田 新三(のだ しんぞう)>
1970年大阪生まれ。不思議に思ったことは「自分で確かめたい」という気持ちから、理科に興味を持つ。95年千葉大学大学院教育学研究科を修了後、理科の教諭として教壇に立つ。