「在学生・卒業生に対する配慮を最優先」に…首都大、東京都立大学へ名称変更

 首都大学東京は2018年8月24日、2020年4月から大学名を「東京都立大学」へ変更することを発表した。東京都が設置する総合大学であるとのブランディング戦略のひとつとして、「成果の還元」や認知度を高める目的から行うものと見られる。

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首都大学東京等の名称変更について
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 首都大学東京は2018年8月24日、2020年4月から大学名を「東京都立大学」へ変更することを発表した。首都大学東京の上野淳学長は、在学生や卒業生・修了生に対する配慮を最優先し、円滑に名称変更するための準備に万全を期したいとしている。

 運営法人は、東京都の地方独立行政法人「公立大学法人首都大学東京」。首都大学東京、産業技術大学院大学、東京都立産業技術高等専門学校の2大学1高専を設置・運営している。

 首都大学東京は、2005年(平成17年)4月に都立の4つの大学「東京都立大学」「東京都立科学技術大学」「東京都立保健科学大学」「東京都立短期大学」を再編・統合して設置した公立大学。2017年5月1日現在、学部6,900人、専攻科10人、大学院2,260人をあわせて9,170人が在席する。

 2020年4月から、名称はそれぞれ、首都大学東京は「東京都立大学」、産業技術大学院大学は「東京都立産業技術大学院大学」へ変更する。法人名は「東京都公立大学法人」に改称予定。東京都立産業技術高等専門学校は変更なし。

 東京都は名称変更について「18歳人口の減少や大学間競争が激しさを増している中、教育研究成果の都政への還元など、都との連携を一層強化する取組を進め、都立の大学であることをわかりやすく発信」するとコメント。小池百合子都知事は、「都立の大学であるということを都民の皆様方などにわかりやすく発信していくことで、教育研究成果を都民、そしてまた都政に還元していくという大学の存在意義がこれまで以上に明確になることを、都としても期待いたしております」と述べている。

 名称変更について、インターネット上では「首都大学東京って名前は好きだった」「また戻るのか」「しっくりくる」「キャンパス名はどうなるだろう」などの感想が見られる。名称変更について、小池百合子都知事は「現在の首都大学東京で入学された在学生の方々、それからまた卒業生の方々などに対する丁寧な説明が必要」とし、対応する法人や学校にとって必要な支援をしていくと述べている。

 首都大学東京はこれまで、同大学は東京都が設置する総合大学であるという点から「成果をこれまで以上に都政に還元」するために「認知度をもっと高める」目的から、「ブランディング戦略のひとつとして、大学名を変えるくらいの大胆な改革をスピード感を持って進めることも必要ではないか」とする小池百合子都知事の発言について対応の検討を開始していることをWebサイトに文書で掲載していた

《佐藤亜希》

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