高校教科書の検定基準改正、パブコメに307件
文部科学省は2018年9月18日、高等学校教科用図書検定基準等の改正に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果を公表した。「歴史総合で世界史と日本史が一緒になることで扱う人物や案件が少なくなることが懸念される」など307件の意見が寄せられた。
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文部科学省は、教科用図書検定調査審議会「教科書の改善について(報告)」(2017年5月23日)における「I.次期学習指導要領の実施に向けた教科用図書検定基準等の改善」「II.デジタル教科書の導入の検討に関連した教科用図書検定基準等の改善」の提言内容を踏まえ、高等学校教科用図書検定基準の全部を改正する。また、高等学校教科用図書検定基準との文言の整合性を図るために義務教育諸学校教科用図書検定基準の一部改正を予定している。
パブリックコメントは、2018年7月30日から8月28日までの期間、電子メールや郵便、ファックスなどを通じて、広く国民から募集した。その結果、合計307件の意見が寄せられた。
地理歴史科や公民科に対する意見では、「歴史総合で世界史と日本史が一緒になることで扱う人物や案件が少なくなることが懸念される」「『公共』や『倫理』で例示されている『内容』を『すべて取り上げ』としているが、これによって教科書の記述が厖大になれば、生徒や教職員の負担が増大する」などがあった。
そのほか、「『多様な見解のある社会的事象』の内容として、偏った情報があたかも真実のように取り上げられることがないようにしてほしい」などの意見が寄せられた。
寄せられたおもな意見の概要とそれに対する文部科学省の考え方をまとめた資料は、電子政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)」に掲載されている。高等学校教科用図書検定基準等の改正は、2019年4月1日から施行し、2021年度以降の使用に係る教科用図書の検定から適用される。
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