藝大が授業料20%引上げ、19年度以降の入学者から

 東京藝術大学は2018年10月26日、2019年度以降の学士課程と大学別科入学者、2020年度以降の大学院課程入学者に係る授業料を現行の年額53万5,800円から64万2,960円へ改定すると発表した。年額で10万7,160円の引上げとなり、文部科学省の定める標準額を超える。

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 東京藝術大学は2018年10月26日、2019年度以降の学士課程と大学別科入学者、2020年度以降の大学院課程入学者に係る授業料を現行の年額53万5,800円から64万2,960円へ改定すると発表した。年額で10万7,160円の引上げとなり、文部科学省の定める標準額を超える。

 国立大学の授業料と入学金は、文部科学省が標準額を定めており、授業料(年額)は2005年度から53万5,800円、入学金は2002年度から28万2,000円を維持。各国立大学は標準額を踏まえつつ、一定の範囲内(20%以内)でそれぞれ定めることととなっている。文部科学省が2010年度に行った調査では、86大学法人中81大学は授業料を標準額と同額に設定、5大学は標準額を下回る授業料としていた。

 東京藝術大学の授業料改定は、2019年度以降の学士課程および大学別科入学者、2020年度以降の大学院課程(修士課程・博士後期課程)入学者に係る授業料が対象。現行の授業料は標準額と同額の年額53万5,800円だが、20%(10万7,160円)引上げ、年額64万2,960円とする。2018年度以前に入学した学士課程および大学別科の学生、2019年度までに入学した大学院課程の学生については、当該課程に在学している期間は、2019年度以降も現在の授業料のままとなる。

 東京藝術大学は、授業料の引上げにより教育の機会均等の確保が損なわれないよう、引上げ額を含めた授業料の減免を実施するほか、経済的な理由で修学困難な学生を対象とした「修学支援奨学金(給付型)」を新設する。授業料引上げによる収入は、世界の一流芸術大学と伍して行くための教育研究の高度化、トップアーティスト育成の中核をなす「実技指導」の重点強化などに充当するという。

 国立大学の授業料引上げに関しては、東京藝術大学のほかに、東京工業大学が2019年4月以降の入学者に対して授業料の増額を行うと発表している。

《黄金崎綾乃》

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