子どもの教育に不安を感じる親は約8割…もっとも不安「友だち付き合い」

 大谷大学教育学部は2019年3月1日、幼児や小学生の子どもを持つ保護者を対象に行った「幼児教育・小学校教育に関する保護者の意識調査」の結果を発表。回答者全体の77.0%は「子どもの教育に関して不安を感じている」と回答。小学校低学年の親の割合がもっとも高かった。

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自身の子どもの教育に関して不安に感じていることはあるか
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 大谷大学教育学部は2019年3月1日、幼児や小学生の子どもを持つ保護者を対象に行った「幼児教育・小学校教育に関する保護者の意識調査」の結果を発表した。回答者全体の77.0%は「子どもの教育に関して不安を感じている」と回答。小学校低学年の親の割合がもっとも高かった。

 大谷大学教育学部は、幼児や小学生の親が子どもの教育や先生に対してどのような意識を持っているのかを明らかにすることを目的に意識調査を実施。幼稚園児・保育園児または小学生の子どもを持つ20歳から59歳の男女を対象に調査を行い、親の性別、子どもの性別、各就学段階がほぼ均等になるよう有効回答から1,000人のサンプルを抽出した。調査期間は1月8日から9日。

 子どもの教育に関して不安を感じていることがあるか聞いたところ、全体の77.0%が「ある」と回答。就学段階別にみると小学校低学年の親がもっとも高く80.1%となった。不安に感じていることがあると回答した人に、どのようなことを不安に感じているか聞いたところ、「友達との付き合い・関係」がもっとも多く43.0%、ついで「学習習得状況」38.1%、「学習意欲」31.6%、「家庭での学習習慣」30.0%、「運動能力」26.2%など。「友達との付き合い・関係」に不安を感じている割合は園児がもっとも高く51.0%と半数を超えた。

 自身の子どもに将来就いてほしい職業があると回答した483人の回答結果をみると、男女合わせて1位「公務員」39.5%、2位「会社員」29.6%、3位「医師」20.1%、4位「薬剤師」19.5%、5位「学者・研究者」「看護師」同率13.7%という結果に。男の子の親の回答は上位3つは全体と同じものの、「学者・研究者」「起業家・社長」「プログラマー」が全体よりも順位が上になった。女の子の親の回答では、「看護師」「薬剤師」「幼稚園・保育園の先生」「学校の先生」が上位にあげられた。

 一方、子どもが将来就きたいと思っている職業があると回答した503人の回答結果をみると、男女合わせて1位「ケーキ屋・パン屋」19.7%、2位「ユーチューバー」8.2%、3位「警察官」「プロサッカー選手」同率7.8%であった。就学段階別にみると、男子園児は1位「警察官」、2位「電車・バスの運転士」。女子園児は1位「ケーキ屋・パン屋」、2位「幼稚園・保育園の先生」。男子小学生は「ユーチューバー」「プロサッカー選手」が上位1・2に。女子では「ケーキ屋・パン屋」が変わらず1位をキープしたものの、その割合は年齢が上がるにつれ減少し、「学校の先生」「看護師」などが上位にあがった。

 子どもの先生に対する親の意識を探るべく、幼稚園・保育園の先生の理想像を尋ねると、「ほめるのが上手」が52.0%でもっとも高く、ついで「こころと向き合ってくれる」48.9%、「真剣に話を聞いてくれる」48.5%となった。調査結果から「ほめ上手で子どもの“こころ”に対して真摯に向き合ってくれる」理想の幼稚園・保育園の先生像が見えてきた。同じ質問からは、「優しい」31.2%、「厳しく叱ってくれる」22.8%と、幼稚園・保育園の先生には厳しさより優しさを求める親が多い傾向がみられた。

 また、小学校の先生の理想像を聞いたところ、「真剣に話を聞いてくれる」55.0%、「信頼関係を築けている」54.7%の2つが半数を超え支持を集めた。小学校になると、先生に話を聞いてくれる姿勢や信頼関係を求める親が増えるようだ。男女別にみると、女性では「ひいきをしない」が54.2%と、男性に比べ21.2ポイントも高くなり、特に母親は小学校の先生に公平な態度を求める傾向が高いようすが見られた。

 調査ではこのほかにも、保護者の心に残る先生や、先生に言われて嬉しかった言葉など、さまざまな質問結果をまとめている。結果まとめは、大谷大学Webサイト内の教育学部の新着情報から見ることができる。

《畑山望》

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