文科省、WWLコンソーシアム構築支援事業10校の取組み紹介

 文部科学省は2019年7月23日、2019年度「WWLコンソーシアム構築支援事業」における拠点校10校の取組みについてWebサイトに公表した。筑波大学附属坂戸高等学校や渋谷教育学園渋谷高等学校など各校の取組みを見ることができる。

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WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の概要
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 文部科学省は2019年7月23日、2019年度(令和元年度)WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業における拠点校10校の取組みについてWebサイトに公表した。筑波大学附属坂戸高等学校や渋谷教育学園渋谷高等学校など各校の取組みを見ることができる。

 「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」は、これまでのSGH(スーパーグローバルハイスクール)事業などの取組み実績を活用して、2019年度より新たに開始した取組み。Society5.0の時代に向けてイノベーティブなグローバル人材を育成するため、高等学校などと国内外の大学、企業、国際機関などが協働し、高校生へより高度な学びを提供する仕組みを構築するとともに、テーマと関連した高校生国際会議の開催や高等学校のアドバンスト・ラーニング・ネットワークの形成により、WWLコンソーシアムにおける拠点校の構築を目指す。

 指定期間は2019年度から原則3年間で、3年目の評価に応じて延長も可能。拠点校数は10拠点。初年度となる2019年度は公募の中から、国立大学法人筑波大学附属坂戸高等学校(埼玉県)、東京都立南多摩中等教育学校(東京都)、渋谷教育学園渋谷高等学校(東京都)、金沢大人間社会学域学校教育学類附属高等学校(石川県)、静岡県立三島北高等学校(静岡県)、立命館宇治高等学校(京都府)、大阪府北野高等学校(大阪府)、神戸市立葺合高等学校(兵庫県)、関西学院高等部(兵庫県)、広島県立広島国泰寺高等学校(広島県)の10校が採択された。支援金額は1拠点あたり1,000万円程度。

 取組み要件には、「グローバルな社会課題研究としてテーマを設定すること」「外国語や文理両方の複数の教科を融合し、テーマと関連した新たな教科・科目を設定すること」「海外の連携校などへの短期・長期留学などをカリキュラムの中に体系的に位置づけ、対象となる生徒が必ず経験するようにすること」「国内外の大学、企業、国際機関などと協働し、国内外の高等学校などとの連携によるテーマと関連した高校生国際会議などを事業終了までに行うこと」など、9つの要件が定められている。

 たとえば、筑波大学附属坂戸高等学校の構想名は「国際フィールドワークを通じて持続可能な国際社会を創る人材育成システムの構築」。社会課題の発生している現場での「国際フィールドワーク」を積極的に取り入れた体系的な探究型カリキュラムを開発し、海外の人々と協働して社会的問題に取組み、問題提起から解決に至る過程でリーダーシップおよびフォロアーシップを発揮できる人材を育成するシステムを構築する。成果を世界に発信する場として、国内外の高校生が一堂に会する「高校生国際 SDGs会議」を開催。10年後には、海外に13オフィスをもつ筑波大学の世界展開力を附属学校として活用し、世界の舞台で活躍できるグルーバル人材の育成システムの構築を目指す、との構想を掲げている。

  そのほか、渋谷教育学園渋谷高等学校は「協働型探究活動による、SDGs達成を担う次世代地球市民の育成」、関西学院高等部は「“AI活用 for SDGs”『地球と人類に貢献する平和構築のための学び』~Society 5.0に向けたWWLCリーディング・プロジェクト~」、広島県立広島国泰寺高等学校は「広島から世界へ!平和に貢献するグローバル人材の育成」を研究開発構想として掲げている。

 今後は拠点校とその管理期間を中心に、国内外の事業連携校で構築する「アドバンス・ラーニング・ネットワーク」の形成を目指し、5年間ほどで「アドバンス・ラーニング・ネットワーク」を形成した拠点校を全国に50校程度配置。将来的にWWLコンソーシアムへとつなげることを目指すという。

《畑山望》

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