松井秀喜、HEROsと協働で「いじめ・自殺防止」プロジェクト始動

 いじめ撲滅に取り組む「てとり」は、元・メジャーリーガー松井秀喜氏や「HEROs」と協働で、子どものいじめ・自殺防止活動の推進を目的としたプロジェクト「stand by you」を始動する。啓発動画の公開などを通して、いじめの相談窓口などの存在周知を推進する。

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「stand by you」プロジェクト
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 いじめ撲滅に取り組む「てとり」は、元・メジャーリーガー松井秀喜氏やアスリートの社会貢献活動を支援する「日本財団HEROs」と協働で、子どものいじめ・自殺防止活動の推進を目的としたプロジェクト「stand by you」を始動する。啓発動画の公開などを通して、いじめの相談窓口などの存在周知を推進する。

 文部科学省や厚生労働省の調査により、いじめ認知件数(2017年度)、人口10万人あたりの自殺者数を示す「自殺死亡率」の19歳以下の死亡率(2018年度)がともに過去最多となるなど、子どもたちのいじめ・自殺防止対策は急務となっている。

 「stand by you」プロジェクトは、いじめなどの悩みを相談できずに苦しんでいる子どもたちや、そのような悩みを持つ仲間を助けたいと思っている子どもたちに相談窓口の存在を周知させ、子どもたちに救いを求めて教職員や保護者に相談することを促し、いじめに悩んでいる友人を助けるような行動を取りやすいように後押しすることを目的に発足。松井秀喜氏、てとり、日本財団HEROsが共同発起人となり、多くのアスリートやアーティストらが活動に参画している。

 具体的には、18歳以下の自殺が特に多くなるとされる「9月1日」を前に、2019年8月26日より参画アスリート・アーティストらによる、子どもたちへの相談の啓発と相談窓口の周知を目的とした啓発動画を公開。映像の終盤では、「24時間こどもSOSダイヤル」「こどものSOS相談窓口」「いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト)」「Mex(ミークス:10代向け支援サービス検索・相談サイト)」と各種相談窓口を紹介している。

 そのほか、9月20日前後には、参画するアスリート自身が誰かに相談し、助けられながら困難を乗り越えてきた経験をまとめたインタビュー記事を公開。学校だよりや保健だよりなどと一緒に学校で配布できる形で無償公開し、子どもたちが助けを求めて周囲に相談するきっかけを学校や教育委員会と連携して提供する。また、インタビュー記事を活用したSOSの出し方に関する授業の実施や、いじめについて考えるシンポジウムなどを年度内に複数回開催予定だという。

 プロジェクトに参画するアスリートは、松井秀喜氏のほか、サッカー元日本代表主将の井原正巳(いはらまさみ)氏、車いすラグビー日本代表の今井友明(いまいともあき)氏、元なでしこジャパンメンバーの近賀ゆかり(きんがゆかり)氏、車いすテニス金メダリストの国枝慎吾(くにえだしんご)氏、フェンシング元女子日本代表でトランスジェンダーの杉山文野(すぎやまふみの)氏。そのほか、アーティストや映像作家、クリエイター、いじめ問題のアドバイザーが参画する。

 プロジェクトの始動にあたり、松井秀喜氏は「いまこの瞬間、いじめに苦しんでいる子どもたち、いじめられている友だちを助けたいと思っている子どもたちがいます。そんなこども達の力になりたい。そう思い、私たちは『stand by you』プロジェクトを始めます。」「困難を乗り越えることは1人では難しいものです。そんな時、そっと寄り添ってくれる、見守ってくれる、手を差し伸ばしてくれる。いじめに苦しんでいる子どもたちのために、我々はそのような存在になりたい。私を含めたくさんの人の声が届き、子どもたちが信頼できる大人に相談するきっかけが生まれることを心から願っています。」とコメントを寄せた(一部抜粋)。

《畑山望》

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