合計100人以上の合格者を出しているところでは埼玉医科大学(前期)の49.2%(122人中60人)が最大という結果となった。
2018年7月、息子を東京医科大学に裏口入学させた文部科学省の前科学技術・学術政策局長が逮捕された事件をきっかけに医学部の不正入試の実態が次々に明らかとなった。その後、複数の大学が医学部入試における不正な得点の調整を明らかにした。中でも問題視されたのは女子に対する一律減点。医学部関係者のあいだでは「暗黙の了解」とまで言われた長年の不正だが、一連の問題以降初の入試となった2019年度の入試では多くの大学で女子の合格率の上昇が見られた。
2019年私大医学部入試は女子の合格率が上昇
合格者数に占める女子の割合ランキングは以下のとおり。
2019年度私立大学医学部合格者数 女子の割合が高い大学TOP20
1位 兵庫医科大学(B方式)58.3%
2位 埼玉医科大学(後期)52.4%
3位 埼玉医科大学(前期)49.2%
4位 日本大学(N方式)47.1%
5位 順天堂大学(A方式)42.3%
6位 北里大学 40.7%
7位 日本大学(A方式)39.2%
7位 兵庫医科大学(A方式) 39.2%
9位 愛知医科大学 36.9%
10位 東京医科大学 36.4%
10位 獨協医科大学(栃木県地域枠)36.4%
11位 藤田医科大学(前期)32.2%
12位 獨協医科大学 31.8%
13位 順天堂大学(「B方式」)30.8%
14位 福岡大学 29.0%
15位 藤田医科大学(後期) 28.0%
16位 東北医科薬科大学 26.3%
17位 久留米大学(2019年は前期)25.9%
18位 岩手医科大学 23.3%
19位 慶應義塾大学 20.8%
20位 久留米大学(後期) 18.2%
最終合格者数、あるいはそのうちの女子の人数を非公表とした大学は以下のとおり。
大阪医科大学(後期)
日本医科大学 センター利用
東邦大学
杏林大学(前期)
関西医科大学(前期)
大阪医科大学(前期)
杏林大学(後期)
日本医科大学(後期)
川崎医科大学
近畿大学(前期)
近畿大学(後期)
聖マリアンナ医科大学
関西医科大学(後期)
日本医科大学
東京慈恵医科大学
昭和大学(I期)
帝京大学
金沢医科大学(前期)
東京女子医科大学
東海大学
昭和大学(II期)
金沢医科大学(後期)
国際医療福祉大学
これらの大学は、東大螢雪会の請求に対して情報を公開していない(2019年11月現在)。
問題の発端となった東京医科大学では、全体の合格率は男子19.8%、女子20.2%という結果で、男女で大きな差がないことがわかっている。