文科省、英語民間試験活用めぐり非公開の議事録を公表

 文部科学省は2019年12月24日、大学入試英語4技能評価ワーキンググループが非公開で行った会議6回の議事録と配布資料を公開した。会議では、高校関係者から英語民間試験は公平、公正性が担保できるのか不安や疑問の声があがっていた。

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 文部科学省は2019年12月24日、大学入試英語4技能評価ワーキンググループが非公開で行った会議6回の議事録と配布資料を公開した。会議では、高校関係者から英語民間試験は公平、公正性が担保できるのか不安や疑問の声があがっていた。

 大学入試英語4技能評価ワーキンググループは、大学入試英語成績提供システムの整備の進捗状況の共有と必要な事項の意見交換を行うために設置された。会議は、2018年12月18日に第1回が開催され、2019年9月3日までに計6回開催された。

 会議の議事録によると、第1回の会議では、高校関係者から英語民間試験は公平、公正性が担保できるか不安の声があり、「ナショナルスタンダードの大学入試になるわけですから、今までの検定のやり方とは違う形で、公平、公正性、セキュリティー、それを本当に全国規模で考えていただきたい」との要望があった。

 第2回以降の会議では、英語民間試験活用にあたってのトラブルとその対応、各実施団体からの説明、高校生向け受験ニーズ調査、大学入試英語ポータルサイトの開設などについて取り上げられた。第6回会議の最後には、高校関係者から「本当に来年、今の高校生たちにこれを試験で受けさせるということに関しては、非常に疑問がまだ残る。私自身、生徒に話をしていくというのは、なかなか難しい。是非とも、もう一度、本当にこれを続けていくのかどうか、要は、ここでもう一回立ちどまって考えて、その上でどうしていくのか、そういう場を持つ必要は十分にあるのではないか」という意見もあがっていた。

 従来の大学入試センター試験に代わり、2021年1月に実施される大学入学共通テストでは、英語4技能「読む・聞く・話す・書く」を測定するため、大学入試英語成績提供システムが導入される予定だった。しかし、経済的な状況や居住している地域に関わらず、等しく安心して受けられるようにするためには、文部科学省はさらなる時間が必要だと判断し、2019年11月1日に導入の見送りが決定した。大学入試における新たな英語試験は、新学習指導要領が適用される2024年度入試から導入することとし、今後1年を目途に検討し、結論を出すとしている。

《工藤めぐみ》

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