高校生9割、休校により学習や受験対策に不安…旺文社

 新型コロナウイルス感染拡大防止のための休校により、学習や受験対策に「やや不安」「非常に不安」と回答した高校生は87.5%にのぼることが、旺文社が2020年5月25日に発表した調査結果より明らかになった。

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4月に自分が通う高校の先生によるオンライン授業は実施されたか
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 新型コロナウイルス感染拡大防止のための休校により、学習や受験対策に「やや不安」「非常に不安」と回答した高校生は87.5%にのぼることが、旺文社が2020年5月25日に発表した調査結果より明らかになった。

 調査は、旺文社が運営する大学受験ポータルサイト「大学受験パスナビ」のユーザーを対象に実施したもの。有効回答数は3,262件で、このうち「高校3年生」77.4%、「高校2年生」18.4%、「高校1年生」3.9%、「その他」0.3%。調査期間は5月7日~14日。

 通っている高校の先生によるオンライン授業が4月に実施されたのは、「5回以上」19.0%、「5回未満」11.5%。「実施していない」は69.5%だった。授業と並行してオンラインで課題配信や提出などを行っていた学校もあるが、4月の時点ではオンラインでの学習環境について検討中の学校もあったため「実施していない」割合が多いと推察される。

 休校期間中の高校の先生との連絡手段は、「メール」35.6%が最多。ついで、「電話」30.5%、「LINE」14.2%、「その他」52.4%であった。先生との連絡手段は何らかの形で確保されていたようだ。

 休校による学習や受験対策に不安があるかという質問には、「非常に不安」61.3%、「やや不安」26.2%と、あわせて87.5%の高校生が不安に感じていた。不安な理由は、「授業再開がいつになるのか」「進んでいない授業内容をどのようにカバーするのか」など、休校期間で学力に差がつくのではないかと心配する声が多かった。また、「入試の日程がどうなるのか早く知りたい」「課題でいっぱいになり、自分の勉強ができないから受験対策が不安」といった悩みも寄せられたという。

 休校などの影響により「志望校の変更や進路選択」に影響があるかを聞いたところ、「ある」と回答した生徒は30.6%だった。その理由は、「学習の遅れや学力の不安」74.6%がもっとも多かった。

 進路について相談する相手は、「両親・兄弟」70.6%が最多。「高校の担任の先生」67.0%、「友人・先輩」42.8%、「塾・予備校の担当者」42.6%、「高校の進路指導の先生」30.2%などが続いた。

 進路選択に関する情報提供や指導の実施について、「実施されている」は47.9%だった。一方、「実施されているが不足している」「まったく実施していない」があわせて52.1%にのぼる。

 進路選択や受験(入試情報・対策)について「知りたいこと」「不安や疑問・悩み」は、「入試日程と内容」に関することがもっとも多く、「入試の時期をはっきりさせてほしい」「指定校推薦はどうなるのか」といった回答が寄せられた。また、「自宅学習による学習の遅れと教育格差について」も多く、「自分がやっている自主学習が本当に受験につながっているのかが不安」「学習進度が不十分なまま、例年と同じ範囲で受験を実施するのか」などの意見があがっている。

 アンケート結果は、大学受験ポータルサイト「大学受験パスナビ」で確認できる。

《外岡紘代》

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