【大学入学共通テスト2021】無症状の濃厚接触者も受験可…感染対策案

 2021年度(令和3年度)大学入学共通テストの新型コロナウイルス感染症予防対策について、文部科学省は無症状の濃厚接触者も一定の要件をクリアしていれば受験を認めるとする案をまとめた。試験場入場時の検温は実施せず、受験者は試験当日に自主検温を行う。

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大学入学共通テスト新型コロナウイルス感染症予防対策(案)
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 2021年度(令和3年度)大学入学共通テストの新型コロナウイルス感染症予防対策について、文部科学省は無症状の濃厚接触者も一定の要件をクリアしていれば受験を認めるとする案をまとめた。試験場入場時の検温は実施せず、受験者は試験当日に自主検温を行う。

 2020年10月15日に政府が開催した新型コロナウイルス感染症対策分科会において、大学入学共通テスト新型コロナウイルス感染症予防対策案が示された。

 予防対策案では、6月に決定した「令和3年度(2021年度)大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」をベースに、大学入学共通テスト実施にあたって各大学が対応する内容を整理している。

 試験室の設定などは「座席間の距離(1メートル程度)の確保」「保護者等の控室は原則設置しない」、感染防止策には「昼食時を除きマスクの常時着用を義務付け(未所持者にはマスク提供)」などを盛り込んでいる。

 受験者は、試験当日は自主検温を行い、37.5度以上の熱がある場合は受験を取りやめ、追試験の受験を検討する。37.5度までの熱はないものの、発熱や咳などの症状がある者は、監督者などに申し出る。症状のある者は休養室で対応し、休養室では医師などがチェックリストに基づき受験者の症状を確認。チェックリストの確認項目に該当した者には、当日の受験を認めず、追試験を案内する。チェックリストの確認項目に該当せず、継続受験を希望する場合は別室受験などで対応する。

 サーモグラフィや非接触型体温計などによる試験場入場時の検温は実施しない。自主検温も行い、これまでの努力の成果を試す重要な機会に際し、万全の体調で臨んでくるであろう受験者にかえって無用の不安感や動揺を与える恐れがあることなどをその理由とした。不安や動揺を与える要素については、当日の気温や服装、検温器の精度などで体温が左右されることや、個々人の適正体温の違いなどをあげている。

 入場時には混雑を避けるため、試験場ごとに入場開始時間の前倒し、一定間隔の確保、複数の入口・門の使用など工夫を行い、大学のWebサイトなどで周知する。

 保健所から濃厚接触者に該当するとされた者で、14日間の健康観察期間中に受験日が重なる場合は、無症状の濃厚接触者について、「初期スクリーニング(PCR等検査)で陰性」「受験当日も無症状」「公共交通機関を利用せず、人が密集する場所を避けて試験場に行く」「終日、別室で受験する」という4つの要件をクリアしていれば受験を認める。

 その場合、試験場の感染対策には「別室まで他の受験者と接触しない導線が確保されている」「別室では受験者の座席間隔が2メートル以上空いている」「監督中は受験者との距離を2メートル以上確保する」「監督者の感染対策が講じられている」を求める。なお、無症状の濃厚接触者には、過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国や地域などから日本に入国した者を含む。

《奥山直美》

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